キューバ新首相にはマレロ観光相が就任
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191222-00000018-jij-int
キューバ首相にマレロ氏 43年ぶり復活
12/22(日) 12:26配信
時事通信は事実誤認している様だけど、以前にも首相に相当する職はありました。閣僚評議会議長と言って、まあ第一書記や大統領に相当した国家評議会議長と兼任する事になっていたし、そもそもまた、共産国は基本的に一番権力ある人は大統領でも首相でもなくて、支配政党の党首(中国の場合は支配政党の軍隊の司令官、共産党中央軍事委員会主席と言うけど)ですから、廃止されていたも同然だとも見れますが・・・・・・・・・・・
もっと厳密に言えば、今年4月からしばらくはミゲル・ディアス=カネル大統領(と言うかまた、時事は彼の名前表記も間違えているし。いい加減仕事しろよ)が閣僚評議会議長ではなく、首相と兼務していたのですが、ミゲル大統領は2018年に国家・政府の長はラウル・カストロ氏に譲ってもらったけど、第一書記(と政治局局員等)の地位はラウル氏が維持している。2021年4月の党大会で譲ってもらって、ラウル氏はここで完全引退する予定な様ですが、いくら権力の移譲期間も必要とは言え、3年は長いですね。
しかもまた、キューバは国家評議会議長から改編された大統領も連続3選禁止・立候補時の年齢は60歳上限という規定が出来たらしい。国家主席(及び国家副主席)の再選制限撤廃がなされた中国とは対照的ですが、大統領になっても70歳までしか務められないという事になります。政治局局員は70・80代の人も何人もいる様ですが、そもそもどうして国家評議会議長&閣僚評議会議長を大統領&首相に改編して、前者はまた再選・立候補制限も付けて別々の人物が就く様にしたのですかね?表向きは①肥大化した権限の委譲とされていますが、他にも②革命第一世代の中でも核心であるカストロ兄弟の神格化(北朝鮮が国家主席や朝鮮労働党総書記を廃止したのと同じ。兄貴の方は神格化されるの嫌っていたらしいですが)③強権や人権問題とか欧米からの批判かわし④世代交代の促進(これも繰り返し言う通り、政治局局員にはラウル氏の他にも革命第一世代の幹部がまだ何人かいるが、国家評議会議長または大統領は政治局局員から選ばれるようだし)とかいくつか理由はあるのでしょうが、このマレロ新首相も政治局局員ですらないのです。国防相や外相は政治局局員ですが、彼らよりも格下です。
まあ2021年の党大会で昇格となるかもしれませんが、中国の国務院総理やベトナムの政府首相ほどの政治的重要性はやはりないのかもしれないですね。ミゲル氏の権力が揺らぐ事は全く無いでしょうが、大統領は最長2029年10月までの氏はそれ以降どうするつもりなのか。慣例に従えば第一書記はまだ少なくとも2031年4月までの任期となるけど、第一書記は再選制限ないのですかね?いやそもそも第一書記もラウル氏が完全引退するであろう2021年4月以降は筆頭書記とかに改編される可能性も否定できないとも思うけど、その2021年の党大会でどの様な政局の変化が起きるか?要注目であります。
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