大選挙区単記移譲式(定数5~10人)と小選挙区単記移譲式の並立制も少し考える(追記あり)
http://www.geocities.jp/seiji200601/senkyo03f.htm
日本は一体どういう選挙制度が一番良いのかなあとも考えていたらこのホームページを見つけましたが・・・・・・・・・
民主党政権時の2010年の話だから少し古いけど、各選挙制度について色々な角度から考察していましたが、概ね的を得ていると思います。しかし、「?」と思った点もあります。それはこのホームページの管理人が一番良いと結論付けた「大選挙区単記移譲式(定数5~10人)と小選挙区単記移譲式の並立制」ですね。
単記移譲式って何?と言うと、要するに比例代表の一種で、まず投票者が立候補者の優先順位をつけて投票して、選挙区ごとに当選票数のラインを定めて、そのラインを超えた得票者が出た場合はその余剰分を優先順位に応じて他の候補者に移譲するのです。それでも当選者が定数に達しない場合は得票数が最下位の候補者を落選として、その落選者の票をまた移譲して、それでも・・・・・・・と繰り返すのですが、大選挙区または中選挙区の単記移譲式はアイルランド下院(ただし、各選挙区の定数は3~5人で基本州単位だが、ダブリンは人口が多いので選挙区が分割されている)等で、小選挙区単記移譲式はオーストラリア下院等で採用されています。しかし、大選挙区と小選挙区のいずれも単記移譲式を並立した例はちょっと聞いた事ないですね。
https://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/200612_671/067106.pdf
このホームページでは各国下院(一院制の国もあり)の選挙制度が紹介されていますが、この制度は、ハンガリーの死票補償付き小選挙区比例代表並立制(一院制で2014年以前)かドイツ・ニュージーランド・ボリビア各下院の小選挙区比例代表併用制に近いのですかね。ただ前者の場合は小選挙区は2回投票制で定数は総定数の半分をやや下回っている、後者はあくまで議席数は得票率(ただし、ドイツ下院の場合は得票率が5%に満たない政党には1つも議席は配分されず、実際そこそこの議席を有していたのが、選挙後全く議席を失ってしまった政党の例もある)に従って配分され、超過議席(ボリビア下院では生じない様になっており、小選挙区比例代表連用制に近い)が生じる事もあり、小選挙区と比例代表の重複立候補が可能(首相を16年もやったコール氏や、外務大臣等を務めたゲンジャー氏は小選挙区敗北・比例復活当選が殆どだったらしいが、特に前者は首相経験者だったのに同じ選挙区によほど地盤の強いライバル政治家でもいたのかね)とやはり違う点はいくつかありますね。
この管理人は区割りのシュミレーションまではしていない様なので、大選挙区と小選挙区の定数が同数とは言っても、どういう区割りにするつもりなのか分からないけど、それぞれ偶数な234人ずつ、衆議院総定数468人として現実の比例代表ブロックも元にしてちょっとシュミレーションしてみました。
大選挙区
北海道 10、5人×2
東北 18、6人×3(宮城、福島、青森・岩手、秋田・山形)
北関東 26、8人×1(埼玉)、6人×3(茨城・栃木・群馬各県)
東京 22、10人×1、6人×1(23区)、6人×1(23区以外)
南関東 30、7人×1、6人×1(神奈川)、6人×2(千葉)、5人×1(山梨)
北陸信越 14、8人×1(新潟・長野)、6人×1(富山・石川・福井)
東海 28、10人×1(愛知)、8人×1(静岡)、5人×2(岐阜・三重各県)
近畿 38、9人×1(大阪)、8人×1(兵庫)、6人×1(京都)、5人×3(滋賀・和歌山・奈良各県)
中国 14、7人×1(広島・山口)、7人×1(岡山・鳥取・島根)
四国 8、8人×1(全県)
九州 26、6人×1(福岡)、5人×4(長崎・佐賀、大分・宮崎、熊本・鹿児島、沖縄)
小選挙区(()は各県の小選挙区総定数)
北海道 10
東北 18(宮城5、福島4、青森3、その他2)
北関東 26(埼玉12、茨城6、その他4)
東京 22(23区15、23区以外7)
南関東 30(神奈川16、千葉12、山梨2)
北陸信越 14(新潟・長野4、その他2)
東海 28(愛知13、静岡7、その他4)
近畿 38(大阪15、兵庫10、京都5、和歌山・滋賀3、奈良2)
中国 14(広島4、山口・岡山3、その他2)
四国 8(全県2)
九州 26(福岡8、鹿児島・長崎・沖縄3、その他2)
実際参議院では2016年選挙より合区が出来たけど、このシュミレーションの場合は大選挙区は10個も合区が出来てしまいますね。個人的には議員報酬を減らした上で衆議院は小選挙区比例代表併用制(総定数500)で、参議院は各都道府県基本定数4(改選2)だが、人口の多い都道府県のみ定数6(改選3)の中選挙区単記移譲式(総定数200で比例代表枠は廃止)が良いかなあと思いますが、いずれにせよ、現行の選挙制度は大いに改善の余地があります。まあどんな選挙制度でも根本的に立候補してくる政治家のレベル(=有権者のレベル)がもっと上がっていかない事にはしょうがないのですが・・・・・・・・・・・・文春でも最近ポスト竹下弟の候補として茂木氏と小渕氏をクローズアップした記事を書いていたけど、ある意味「安倍もそうだけど、竹下弟程度の代わりすらもロクに出てこない日本ってマジでヤバいぞ!!」と発信していたとも言えるし、実際全くそうなのですが・・・・・・・・・・・
(※3/31追記)wikiで調べて後で分かった事ですが、リビアの代議院も小選挙区と大選挙区と比例代表が1:2:2の定数割合で並立しているらしいです。ただ、リビアの場合は一院制でもある様ですが・・・・・・・・・・
| 固定リンク
「国内・世界政治一般」カテゴリの記事
- 森喜朗またまた失言して世界に日本の恥をさらす(2021.02.05)
- 菅政権も多分1年で終わりだろうな(2021.01.02)
- 平野啓一郎は最近よく政権批判をしている様だが・・・・・・・(2020.12.19)
- 横粂が推した3人とも政治家は無理だろう(2020.12.13)
- 女性政治家が少ないのは良い事ではないが、マスゴミの菅内閣ネガキャンには騙されない(2020.09.21)
最近のコメント