邦画「湯を沸かすほどの熱い愛」感想
先日地上波で「湯を沸かすほどの熱い愛」が放送されましたが、職場で絶賛していた人がいたので、私も見てみました。
宮沢りえ氏演ずる主人公の双葉は銭湯経営者だったが、夫の失踪でパン屋でバイトって、そう言えば誰かさんの親と似た職業だったね~だったけど、前半は実子ではなかったらしい安澄がいじめ受けていたシーンが見ていて辛かったですね。ついには制服を隠されて、体操着でしばらく授業を受けざるを得なくなり、余計・・・・・・で最悪の所までいきかけた所・・・・・・・
現実にはなかなか立ち直れないであのまま不登校になってしまった生徒だって勿論いるでしょう。そうでなければ自殺事件だって起きる筈は無いのですが、普通に先生に相談したって、相撲協会も本来被害者サイドである筈の貴乃花親方(まあ、確かにこの人の態度も必ずしも好印象を持てる様なものではないかもしれないけど、彼よりも相撲協会の自浄能力の無さこそずっとずっとどうしようもない。大敗したインパール作戦で戦後も見苦しい自己弁護に固執した指揮官が責任とるの怖くて、上司とお互い庇い合って言う事聞かなかった部下の師団長をキ〇〇イ扱いしたり、ユダヤ人を助けた英雄だった杉原千畝をずっと冷遇した頃から悲しいかな変わっていない)にあの様な仕打ちをする様な「美しい国」なのだから、事なかれ主義で対処してもらえなかった可能性あったから安澄の「あの対応」は溜飲下がった思いでした。
夫の一浩も、下手すればイブで放送されていた、松本清張氏原作「鬼畜」みたいな展開になっていたかも?話は先走ると言うか、ネタバレにもなってしまうけど、双葉の葬式でも長髪・無精ひげのままでだらしない人でしたが、根は決して悪い人ではなかった。彼の連れ子だった鮎子にも実の親以上に親身に接したけど、ヒッチハイカーの青年、拓海も嘘ついた事もあったけど、根は悪くなく、ちょっと不思議な兄ちゃんな独特の雰囲気があって、こういう脚色も何気に上手かったなあとも思いました。
それでも病状の進行は止まってくれなくて、病院で痛みに苦しみながら痛み止めの治療を受けていたのも他人事じゃないからなおさら痛々しいものがありましたが・・・・・・・・・・・双葉が自分のやるべき事を全てやり終えて満ち足りた気持ちで天国に行けたと信じずにはいられないですが、「人は残された命が少ないという残酷な現実に直面した時にもどう生きていくべきか。」とか真摯に訴えかけたヒューマニズムの良作だったと思います。私はそういう類の映画もハッキリ言って大嫌いですが、安易な難病との闘病やお涙頂戴とかにはなっていなかったですね。2018年になっても嫌な話題の方が全然目立つ感がありますが、辛い現実にも直面しながらも今を生きる勇気を与えてくれるような映画だと思います。そう言えばまた、星野仙一氏も亡くなってしまったのも正直驚いていて、この人も色々なエピソードはあって、昨日夜のNHKニュースでも報道されてましたが、楽天監督に就任以降、東日本大震災の被災者の方々を励ましていたのが印象的でした。まだまだ傷が癒えたわけでは決してない被災者の方々もこの映画も観てもっと勇気を与えられたら越した事はないねだけど、星野氏のご冥福をこの場を借りてお祈りします。
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