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2017/02/18

「ROCKMAN X THE NOVEL IRREGULARS REPORT」も感想述べる!!(※ネタバレ有り、未読の方は注意のこと)

今年で30周年を迎えるロックマンシリーズ、当然何作もコミカライズ版も登場している。本家では有賀ヒトシ先生のロックマンメガミックス等で、「?」な描写も皆無ではないながらもこれらを原作にしたアニメ化も一度やってみる価値あるんじゃないの?Xシリーズでは岩本佳浩先生のボンボン連載漫画を一番の名作として挙げる人が多いでしょう。岩本先生と言えばまた、トランスフォーマーの某コミカライズ版も目にした事あったけど、おそらくそうした節目の年に・・・・という事で発売された「ROCKMAN X THE NOVEL IRREGULARS REPORT」も目にする機会があったので、これも拙文ながら感想述べます。

シリーズ序盤の、涙を流したエックスにゼロが思わず驚きを隠せなかった一コマが最初に印象に残ったシーンであると岩本版を読んだ事のある人の多くが思っている事でしょう。本小説版も、片目から涙を流した、無限大の可能性を象徴したエックスの立ち姿が表紙となっていて、期待せずにはいられなかった事でしょう。しかし・・・・・・・・・・・・・・・・

作者の轟つばさ氏、昨2016年11月にアカウント取得されたらしいツイッターもざっと目を通しましたが、本業は広告デザインで、商業目的の小説家としては本作がデビュー作らしい。そんな人に任せて大丈夫なの?でしたが、残念ながら結論から言ってそうした心配は杞憂ではありませんでした。

第一に文章が硬いと言うか、説明的で、表現もおかしい言い回しがいくつか目立ちました。例えば、ドクターケインからの視点でエックスとの出会い等が語られた第4章、80ページの「思考型ロボットという技術が封印されて『長い』」、「長い」ではなく「久しい」でしょう。同章最後96ページの「安らかな顔で眠るエックスを見ながら、この戦いの果てに何が待っているのかをワシは改めて心の中で『噛み締める』事にした」?噛み締めるって、喜びを~とかポジティブな感情とかの意味を十分感じ取るという意味でしょ?この場合は「噛み締める事にした」ではなく、「思いを馳せていた」とかでしょう。あと、これもちょっと細かいかもしれないけど、第8章172ページの「全部背負って、全部受け止めて、全部おれが自分の意思で『手にした』道のりなんだ。」も「手にした」ではなく「選んだ」とかでしょう。そうそう、ライト博士が変態・・・・・というのも、この爺さんは彼の何を見ていたのかなあでしたが・・・・・・・

ボス達との戦いも、深海の武装将軍の名が泣くぜと言うか、ランチャー・オクトパルドなんか漫画版ではエックスのあの一撃で非道な振る舞いに相応しい最期を遂げた筈が、VAVAの引き立て役に過ぎなかったのは哀れでしたが、「攻撃する→しかし通用しないでピンチ→成り行きで反撃の糸口をつかんで倒す」な、ボス達各々のキャラは違えど概してテンプレ的でした。漫画版でもあの「誰がやったんだぁぁぁ!!」とか、酒場でのVAVAとの接触後の涙を流しながらの「ごめんよ・・・・・・(中略)絶対強くなってやる!」とかのセリフも強く印象に残った名エピソードが見られたアーマー・アルマージも一度エックスを倒して流石と思いきや、ゼロとは良きライバルでもあったストーム・イーグリード共々結局気が付いた時には・・・・・・で最期があっさりしすぎ。前述通りエックスだけではなく、その他一部主要キャラの視点でも描かれていて、原作ゲームでは殆どのプレイ経験者が最初のステージを選んだであろうアイシー・ペンギーゴバーニン・ナウマンダーとの戦いへの伏線にはいくらかはなってはいましたが、VAVAももっと清々しいほどの戦闘狂っぷりを見せてくれたのかの思いきや、「なるほど、おれは死んだのか」とかこれまた何だか薄味風味で折角いくつもあった筈の見せ場を悉く活かし切れていませんでした。

シグマが反乱を起こした理由とか、どうやら本小説版ではロックマンロックマン(こちらもロール萌え押しとかベクトルもズレていて、普通に酷かったのだが。DASHシリーズにも伝染しかかっていたけど、そういうのに特化した別のゲームでやってくれな感じ)共々商業的に失敗したイレギュラーハンターXの設定も一部反映されていた様ですが、エックス、ゼロに対する葛藤もあの1ページ分ほぼ丸々使った、超大文字の「憎い」とかの演出も見られた様では、上っ面だけの薄っぺらい私怨みたいだったし、さすがにラスボスなだけあって、最後、大逆襲も試みた様ですが、そんなシグマの執念にエックスが涙を流し、「みんなありがとう」と8ボス達との戦い(と言うか、オクトパルドとはそもそも・・・・なのだが)も思い出しながら最後の一撃を込めて応えても、拙劣な文章力とぶつ切りな脚色(冒頭でイレギュラー戦争の経緯とかミョーに詳しく説明したのも何だったの?とも言うか)で盛り上げるべきポイントを外し続けていたのだから凄い白々しかったのであります・・・・・・・・

随所で見られた、岩本先生のイラストも含むプロットは往年と変わりなく、それだけにこのシーンは特にそうで、視点変更もペンギーゴとか彼なりの苦悩も描かれていたのはほんの部分的には評価はできるのですが、それも概して中途半端だったし、余計悪い意味でのギャップには結局終始違和感がぬぐえませんでした。アマゾンでもあるレビューアが言及していた、スペシャルサンクスの件についてはまだそんな目くじら立てるほどの事でもないと個人的には思いますが、この小説版ってどの世代の人達を対象にしたのだろう?そもそも270ページ程度で原作及び漫画版の魅力を引き出すなんて、轟氏には余計ムリゲーだったとも言えたけど、シリーズ30周年という節目の年を迎えて、カプコンはこれからのロックマンをどうしたいのだろう?PROJECT X ZONEシリーズでもエックスとゼロが登場したらしいけど、これから先40周年、50周年を迎えて歴史の重なりとか確かな満足と誇りを感じられるのだろうか?先日言及した「ロックマンクラシックスコレクションファンブック頂上決戦」もさらに高い1667円も払ってまで買う価値など無かったと言って良いけど、何か今後のシリーズ展開とか悪い意味での暗示とかにもなってしまうのだろうか?この小説版も。轟氏はまた、あとがきで第二部「ゼロ編」の執筆等についても言及されていましたが、この経験を無駄にしないで、次こそはもっと原作や漫画版への理解と愛情が感じられる文才を磨かれる事を強く望みます。原作も5以降不作が目立って、8でやっと試行錯誤が花開いたと思ったら迷走に愛想をつかしたファンを呼び戻すには至らず、イレギュラーハンターXも一発花火に終わってしまった様ですが、本作もそんなシリーズの負の連鎖の一つでもあるとも言うか、このままではお世辞にも期待などは出来ません。

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