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2017/02/19

中国人民解放軍の旅長・軍長ポストの階級と新任海軍司令員について

http://www.360doc.com/content/13/0112/09/8434947_259684977.shtml

http://www.360doc.com/content/13/0116/09/5581565_260449610.shtml

これちょっと古いけど、2013年1月中旬時点での中国人民解放軍陸軍所属部隊の師長(師団長)及び旅長(旅団長)の在任者リスト等を記した中国語のページですね。

人民解放軍は中央軍事委員会(党・国家それぞれ存在し、構成員もほぼ同じだが、その選出には1年のズレがある)を頂点に大軍区、軍(集団軍とも。軍団に相当)、師、団(連隊に相当)・・・・・・の正副軍級があって、旅は正旅級が副師級、副旅級が正団級に相当するらしい。旅は師の隷属部隊ではなく、大きな違いはそれぞれ隷属部隊が営(大隊に相当)か団からしいですが、師長は大校(准将相当だが、人民解放軍では将官ではなく、佐官に相当する校官)で、旅長は大校か上校(大佐相当)、しかし人民解放軍はまた師の旅への改編が進んでおり、旅の方が圧倒的に多い(ほぼ実質的に七大軍区期においては軍区-集団軍-旅-営・・・・の指揮系統であったと言える)のであり、数え間違いがなければですが、旅長も旅政治委員と合わせた人数は不明者を除いて大校117人・上校23人と前者の方がかなり多いです。さらに二番目のページでは、副師長や副旅長、参謀長等のリストも載っているけど、副師長(副師政治委員)や副旅長(副旅政治委員)、師参謀長とかも大校の人もいたりします。

http://blog.sina.com.cn/s/blog_4de8461c0100e8lo.html

さらにこれはもっと古い、2009年2月上旬時点での各集団軍主要幹部のリストを記したページですが、正副軍長、正副軍政治委員、参謀長は不明者を除けば少将89人・大校17人で、やはり前者の方が圧倒的に多い。国共内戦・朝鮮戦争・中越戦争で目覚ましい活躍を遂げた第42集団軍のみ副軍長が3人いる様ですが、これらポスト全員少将の集団軍もありました。まあそれを言えば旧帝国陸軍も軍司令官も師団長も中将で、方面軍司令官も中将の人がいたのですが、他にも省軍区正副司令や連合参謀部(2016年1月までは総参謀部)正副部長、戦区正副各部長等も共に少将である事が多く、1988年9月の階級制度復活時点での人民解放軍の将官は上将(大将)17人・中将124人・少将1289人の計1430人でしたが、中将と少将の比率が約10:1とかなり差がある事が分かります。(欧米各国軍の元帥級に相当したであろう一級上将もこの時は存在し、軍事委員会主席または副主席相当の階級とされたらしいが、鄧小平等が固辞したため授与者がいないまま廃止階級となる)ちなみに2017年1月現在では上将32人(陸24・海3・空4・武警1)、中将134人(陸84・海16・空25・武警9)と上・中将がやや増加していますが、将官の人数自体は少将の人数は確認できなかったながらも約1400人と変わりない様なので、少将はおそらく1200~1250人程度でこの比率にもやはり大きな変動はないでしょう。

と言うか、2016年の人民解放軍大改革では7つの軍区は4つの戦区に削減して、18ある集団軍も師または旅に格下げするつもりだったらしいですが、自衛隊が陸上総隊創設の話が具体化してきた時、方面隊を廃止するか、師団を旅団に降格すべきな意見も出ながらも結局出来なかった様に、人民解放軍も将官が100人以上も減ってしまうから、そこまでのドライな改革は出来なかったのか。今年2017年は秋に第19回中国共産党党大会の開催が予定されていて、習近平の後継者が決定されるのでしょう。

http://www.mag2.com/p/news/239078

引退後しばしば体調不良で入院していて、今年に入ってからも心筋梗塞で入院していた胡錦濤が旧正月に広州市で開催された花の市で公に姿を現したのも、習の独走を阻止し、子飼いの胡春華を彼の後継者に据える意図があったかららしいですが、共産党中央軍事委員会等のポストについてもこの大会で決定されます。(総書記等党のポストは1の位が2または7の西暦の年に、国家主席や国務院総理等政府のポストは1の位が3または8の年に入れ替えが行われる)

https://udn.com/news/story/4/2242798

習派でもある呉勝利党中央軍事委員会委員は今回の党大会をもって引退するのでしょうが、それに先駆けてか海軍司令員を先月20日に沈金龍に譲りました。しかし、これが異例の抜擢なのです。人民解放軍はまた、海軍なら艦隊(2016年1月以降は戦区海軍)司令または政治委員と海軍副司令または副政治委員、空軍なら軍区空軍(2016年以降は戦区空軍)司令または政治委員と空軍副司令、後者も就任時は少将で、その翌年に中将に昇進する例も珍しくはなく、明らかに前者と比べて序列が上だとかは言えない様ですが、少将昇進が54歳だった2010年、中将も昨年7月に昇進したばかりと決して速いとは言えなかったのが、田中(念のため言っておくが、「たなか」ではない。「でん ちゅう」という)ら4人の副司令達(当然中将にも彼より先に昇進している)も追い越して戦区海軍司令員からいきなり海軍司令となったのです。

2014年8月に当時の南海艦隊副司令員に就任したと思ったら、僅か4か月後に海軍副司令員となった蒋偉烈の後任として同司令員に昇格し、人民解放軍改革で南部戦区海軍となってからも引き続き在任していたのですが、南海での艦隊演習を取り仕切ったり、トランプが大統領選挙に勝った直後にアメリカの無人潜行機を捕獲したり等の功績が評価された様です。

そう言えば、前任司令員の呉も2002~04年にかけて南海艦隊司令員を務めた経験がありましたが、沈は今度の共産党党大会で同中央軍事委員会委員となるし、来年には国家中央軍事委員会委員にもなるのでしょう。しかし、軍事委員会メンバーは主席は文民職ですが、副主席と委員は上将ポストですが、人民解放軍上将は中将を4年以上、かつその内大軍区級のポスト(軍区・海軍・空軍等の各司令員および政治委員)を2年以上務めるのが昇進条件です。

実際は3年で上将に昇進した例はいくつかあるのですが、それにしても沈の場合、上将昇進は2019年7月(将官の昇進式は大抵7月に行われる)の話になります。人民解放軍は中将定年が63歳ですが、沈は1956年生まれなので「特例昇進」してもギリギリです。しかしまた、それではホントに19回党大会で委員になったとして、1年半強中将委員に据え置かれる事となります。上将昇進を階級制度復活直後に比べ乱発する様になった江沢民政権期には中将のまま委員に就任して、1年弱程度経過してから上将に昇進した人もいたにはいた様ですが・・・・・・・・

いずれにせよ、2代続けて旧南海艦隊司令員経験者が海軍司令員に就任、しかも沈はまた前述通り最初が肝心と言わんばかりだったかどうかは知らないけど、良くも悪くも(どちらかと言えば悪い意味でか?)今までの大統領達とは異質なトランプのアメリカも牽制した事もあった等中国の南シナ海進出にかける強い執念も伝わる様な今回の海軍司令員の交代劇です。沈はまた一兵卒からのたたき上げでもあるらしいですが、流石に今年は見送られても、来年2018年7月に海軍上将に昇進、もしかしたら20回共産党党大会開催予定の2022年には制服組ナンバー1ポストでもある軍事委員会副主席に就任し、チャイニーズドリームも体現(?)、軍事動向的に重要な人物の一人として注目されていくに違いありません。

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