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2015/10/12

ベトナム人民軍の上将(上級中将)達について

http://route-125.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-ceb9.html

(関連過去エントリー)

以前も過去エントリーで触れましたが、ベトナム共和国軍(南ベトナム軍)が欧米各国軍同様将官は大・中・少・准の4階級に対し、ベトナム人民軍はかっては大・中・少の3階級でした。それが1950年代末頃に大・上・中・少の4階級(佐官も同じ)となって、上将は中国人民解放軍や中華民国国軍、朝鮮人民軍の場合は日本語で言う大将に相当しますが、ベトナム人民軍の場合は上級中将(上佐の場合は上級中佐)と訳されるべきでしょう。NATO階級符号では大将&上将は共にOF-9相当と見ていいでしょうね。良くソ連式の上大~少は欧米式の大~准にそのまま当てはめられるするとか言われてますが、以前も話したように実際はそうとは言い切れないでしょう。現にソ連軍(正確にはこの当時は赤軍)は銀河英雄伝説の銀河帝国軍みたいに上級大将・准将に相当する階級が併存(陸軍部隊指揮畑ではそれぞれ一等軍司令官・旅団長。海軍の場合は現在はそれは大佐相当に格下げになっている。)したし、1955~65年の中国人民解放軍(ただし、大校が相当するが、イギリス軍等同様佐官扱い)もそうでした。現在の朝鮮人民軍もそうでしょう。(上佐の上に大佐がある)ソ連軍の後継であるロシア連邦軍の大将も、朝鮮人民軍の上将も、そしてベトナム人民軍の上将も自分達がアメリカ軍等の中将と同格とは思っていないでしょう。

実際ベトナム人民軍は大将も大臣クラス(国防大臣・公安大臣)で、1人だけ政治総局局長が在任中に昇進した例があった様ですが、上将も現役では14、5人程度しかいない様です。内3、4人は公安次官ですが、その他に国防次官・先任副総参謀長・総政治局副局長・防衛大学校の校長・国会副議長に授与されている様です。ただし、現役上将は国防次官以外は殆ど在任中の昇進だった様です。それ相応のポストに就けても、すぐには昇進させないのはいかにも共産圏の軍隊らしいと言えるのかもしれません。

国会副議長はHuynh Ngoc Son上将ですが、この人は政治家としては現役でも軍人としては既に退役している?第5軍管区(9つ軍管区があるが、規模はやや大きめの師団規模な首都軍管区以外は軍団規模である。またベトナム人民軍には地域を管轄しない軍団も4個存在し、やはり規模はそれ相応だが、軍団長の階級は少将指定な様である)の司令官を経て2007年に定員4名の国会副議長に就任したのですが、異例の昇進かもですね。防衛大学校の校長もPham Xuan Hung上将も在職経験者として、初めて2014年に昇進したようですが、現任者のVo Tien Trung上将が初めての在職中の昇進者となりました。

それでもベトナム人民軍は規模の割には将官数は多くなく、良く階級インフレだとか言われている自衛隊よりも少ない様ですが、現役(もっと正確には都督)の一人なグエン・ヴァン・ヒエン上将、海軍司令官のお役は御免となり、国防次官に転じたのですが、その後任者はまだ48歳と若く、階級も少将(もっと正確には准都督)です。ドイツ連邦軍も海軍は少将以上は10人しかいない様ですが、ベトナム人民軍も陸軍はまだともかくとして、海軍や空軍は階級デフレ傾向が顕著ですね。と言うかまた、天寿を全うしたヴォ―・グエン・ザップ大将とかも元帥になってもおかしくなかったのですが、未だに創設されていないのですね。ドイツ国家人民軍(旧東ドイツ軍)も一応制度上は存在したし、中国人民解放軍も1988年に階級制度を復活しても元帥どころかかっての大将に相当した一級上将もついに授与者が出ないまま廃止になってしまいました。ユーゴスラビア人民軍もチトーの為だけに創設された様な階級だったユーゴスラビア元帥と各軍上級大将(General Armije等)との間にGeneralという階級が存在したらしく、これは人民軍上級大将と訳するのが妥当かと思われます。

ソ連軍は平時でも国防大臣・参謀総長は元帥で、最低でも上級大将が充てられた様ですが、ユーゴスラビア人民軍は場合は国防大臣さえも上級大将、参謀総長に至っては大将止まり人民軍上級大将も1人しか授与されなかった様ですが、これはソ連軍の兵科総元帥共々朝鮮人民軍の次帥相当と見ていいのですかね?話はちょっとそれて、朝鮮人民軍がその最たる例だけど、共産国の軍隊って欧米各国軍の大将相当以上の階級をいくつも作って、しかし、国や支配政党(共産党、北朝鮮なら朝鮮労働党)の権威の為に勿体ぶってなかなか授与しない様ですね。朝鮮人民軍も最近短期間で階級を上げたり下げたりして、金正恩自身に対する忠誠心を煽っている様ですが、ベトナム人民軍の近年異例な上将昇進例も見られながらも根本的にそれは変わらないという事なのでしょう。

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