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2015/01/18

ベトナム人民軍の将官人数

http://vistaps.com/vietsakuin2012.pdf


これたまたま見つけたのですが、ベトナムの共産党・政府・人民軍の主要幹部達のリストを示したページです。まずちょっとした説明が必要ですが、将官の階級は欧米各国式(フランス海軍除く)は大・中・少・准でロシア式(ロシア・モンゴル・アンゴラ等、他にはスペイン海軍もか)は上大・大・中・少、中国式は上・中・少・(大校。日本語では上級大佐と訳されるが、海外では准将扱いである)、我が国の自衛隊は大・中・少(将が中将相当だが、幕僚長は大将相当の階級章で、将補が少将相当である)、メキシコやニカラグア等一部の国を除く中南米各国式も大・中・少(スペイン語表記ならばgeneral de division及びgeneral de brigadaはそれぞれフランス・イタリア・スペイン各軍より1階級高い中将・少将相当である事に注意が必要である。またアルゼンチン陸軍のTeniente generalも大将相当であろう)ですが、このベトナム人民軍は大・上・中・少でも中国人民解放軍や中華民国国軍の上将とは違い、上級中将(かっての帝国陸軍でも創設が検討されていた階級でもある。軍司令官も師団長も中将指定職だったため)と訳するべきでしょう。同時に佐官も同じ様に4階級ありますが、上佐も上級中佐と訳されるべきでしょう。

それを踏まえた上で話をしますが、ベトナム人民軍の将官及びその対応ポストは以下の通りなようです。


大将・・・・2人
国防大臣
公安大臣
上将(上級中将)・・・・11人
(国防省)
総参謀長
政治総局局長
国防次官(×4)
副総参謀長
(海軍)
海軍司令官
(公安省)
公安次官(×3)
中将・・・・60人
(国防省)
副総参謀長(×4)
政治総局副局長(×4)
技術総局局長
技術総局政治委員
情報総局局長
情報総局政治委員
情報総局副局長(×2)
物流総局局長
国防産業総局局長
国防産業総局政治委員
(海軍)
海軍副司令官
(防空・空軍)
防空・空軍司令官
防空・空軍副司令官
(地上軍)
ハノイ市司令部司令官
ハノイ市司令部政治委員
第1軍区司令官
第1軍区政治委員
第2軍区司令官
第3軍区司令官
第3軍区政治委員
第4軍区司令官
第5軍区司令官
第7軍区司令官
第7軍区政治委員
第9軍区司令官
第9軍区政治委員
(公安省)
公安次官
第1総局局長
第1総局副局長
第2総局局長
第2総局副局長(×2)
第3総局局長
第3総局副局長(×3)
第4総局局長
第6総局局長
第6総局副局長(×3)
第7総局局長
第7総局副局長(×7)
第8総局局長
第8総局副局長
警備司令部司令官
モバイル警察司令部司令官
少将・・・・127人
(国防省)
副総参謀長
技術総局副局長(×5)
情報総局副局長(×3)
情報総局副政治委員
物流総局政治委員
物流総局副局長(×2)
国防産業総局副局長(×3)
国防産業総局副政治委員
(地上軍)
砲兵部隊司令官
砲兵部隊政治委員
化学政治部隊政治委員
エンジニア部隊司令官
エンジニア部隊政治委員
戦車・装甲車部隊司令官
戦車・装甲車部隊政治委員
情報連絡部隊司令官
情報連絡部隊政治委員
特殊部隊司令官
第1軍団司令官
第1軍団政治委員
第2軍団司令官
第2軍団政治委員
第3軍団司令官
第3軍団政治委員
第4軍団司令官
第1軍区副司令官兼参謀長
第1軍区副司令官(×4)
第2軍区政治委員
第2軍区副政治委員
第2軍区副司令官(×2)
第2軍区参謀長
第3軍区副司令官兼参謀長
第3軍区副政治委員
第3軍区副司令官(×2)
第3軍区参謀長(×2)
第4軍区政治委員
第4軍区副司令官兼参謀長
第4軍区副司令官(×3)
第4軍区副政治委員
第5軍区政治委員
第5軍区副司令官兼参謀長
第5軍区副司令官(×3)
第5軍区副政治委員
第7軍区副司令官兼参謀長
第7軍区副司令官(×3)
第7軍区副政治委員
第9軍区副司令官兼参謀長
第9軍区副司令官(×3)
第9軍区副政治委員
(海軍)
政治委員
副司令官(×5)
(空軍)
副司令官兼参謀長
副政治委員
副司令官(×7)
(公安省)
第1総局副局長(×5)
第2総局副局長(×5)
第3総局副局長(×3)
第4総局副局長(×6)
第5総局副局長(×5)
第6総局副局長(×7)
第8総局副局長(×4)
警備司令部副司令官(×2)
モバイル警察司令部副司令官(×3)



2014年頃のデータで、数え間違いがなければですが、ベトナム人民軍の全将官は丁度200人いる事になります。公安省も軍人扱いなようですが、反面海上警察は含まれておらず、これも含めればもう少し増えるでしょうが、ベトナム人民軍+公安省で総人員が約76万人いるので将官の人数は1000人当たり0.26人いる事になります。大佐から准将に昇進できる人が10人に1人もいない米軍の半分もないです。ここで各階級ごとのポストについてちょっと補足しましょう。

大将

初めて授与されたのは周知の通り(?)ヴォー・グエン・ザップで、フランスとの独立戦争のさなかの時でしたが、この時は将官階級は大・中・少の3階級でした。まだ上将(上級中将)は無かったのです。国防大臣・総参謀長・総政治局局長、それと公安大臣経験者に充てられる階級ですが、公安大臣は7人の歴任者の内、3代目のMai Chí Thọが初めて授与されたのですが、定着したのは前任者のLê Hồng Anhからのようです。2002年に就任し、2005年に授与されています。2007年には現・国防大臣のファン・クアン・タイン総政治局局長のレ・バン・ダングが授与され、初めて「2人の現役大将」の例となりました。レは就任時点では中将で、その後2011年に引退しましたが、翌年2012年に現・公安大臣のチャン・ダイ・クアンが授与されたので再び2人の現役大将が存在している状況となっています。


上将(上級中将)

海軍では都督がこれに相当します。欧米各国軍等での中将に相当するのでしょうが、総参謀長・総政治局局長の他には国防・公安次官、海軍司令官、それと先任(?)の副総参謀長ぐらいしかいません。順調に出世すれば50代半ばぐらいで授与されるようです。

中将

海軍では副都督がこれに相当します。元々は前述通り大将のすぐ下の階級だったので、欧米各国軍等での中将または少将に相当するのでしょうが、それなりにはいます。国防省・公安省の総局長・副総局長、地上軍の軍区司令官・同政治委員等ですが、防空・空軍司令官もこの階級です。

少将

海軍では准都督がこれに相当します。欧米各国軍等での少将または准将に相当するのでしょうが、国防省の副局長・政治委員、公安省の副局長、地上軍の軍区副司令官・同副政治委員、同参謀長、軍団司令官、同政治委員の他にも海軍・防空・空軍の副司令官、副政治委員等がいます。


と言うか、これを見て分かる事は第一に、「全体的に階級が実際の相当よりも1階級も低い」という事でしょう。最初は将官階級は大・中・少で途中から大・上・中・少となったのだからちょっとややこしいのですが、特に国防省の総参謀長、局長、地上軍の軍区司令官、軍団司令官(それと大佐指定職だけど師団長も)とかはもう1階級上げても良い様な気もします。またそれ相応の階級のポストにつけてもすぐその階級には引き上げず、1・2年はそのままの階級で据え置くのも共産主義各国軍共通の傾向(中国人民解放軍も、上将昇進条件は中将経験4年以上以外にも軍区司令員または同政治委員を2年以上経験しなければいけない。ただし、3年で中将から上将に昇進した例もあるようである)ですが、防空・空軍司令官も階級が中将では低いというか、現在の海軍司令官も就任前後でやっと副都督(中将)に昇進しています。この両司令官も就任時で上将または都督とした方が良いのでは?ですが、両軍はまた将官人数自体かなり少ないですね。防空・空軍は11人、海軍は8人しかいません。防空・空軍については国防省でのポストについている人もいるし、海軍については前述通り海上警察(司令官は副都督である)は含んでいませんが、それにしてもちょっと少なすぎなのでは?です。副司令官はそれ相応の能力があっても、なかなかポストにつけない・・・・・な人用に設定されたポストの面もあるのでしょう。地上軍の師団長だけでなく、海軍の沿海区司令官や防空・空軍の師団長、空軍の作戦区司令官も大佐ポストなのでしょう。実際、例えば現在の空軍司令官であるフオン・ミン・ホアは2004年に49歳で少将となって間もなく、翌2005年には早くも空軍政治委員に抜擢されています。在任中の2007年に52歳で中将となり、空軍司令官は2010年より在任中です。

全体的に階級デフレ傾向が強い共産各国軍の中でもです。ソ連軍は平時でも参謀総長や国防大臣は連邦元帥が当てられていたし、上級大将の軍管区司令官や少将の師団長等も珍しくなかった。(軍管区司令官は基本大将だが、何年か務める事で上級大将に昇進した例がいくつか見られた)中国人民解放軍も、師団長は大校で、軍団司令官も規模は陸上自衛隊の方面隊以上なのに少将ながらも、前述通り軍区司令員・同政治委員だけでなく、四総部(海軍・空軍・各軍区と同列である)の中でも総政治部副主任や総副参謀長の上将も珍しくないのですが、ベトナム人民軍のこの階級デフレっぷりはちょっと郡を抜いているのかもしれません。

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