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2014/01/04

荘司としおと足利義満の「奇妙な(?)縁」

http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/REKISI/taiheiki/mmanga/moriyuki.html

上記HPは、南北朝時代が好きな方のHPで、細川頼之&足利義満を主人公とした「室町太平記」なる仮想大河ドラマの企画(私も何度も見させて頂いてますが)も見られます。これは集英社出版、学習漫画日本の歴史(以降「漫画」と表記)1982年版の紹介ページです。漫画はもりゆき男先生でしたが、この「漫画」での義満は等持院木造の風貌を忠実に再現した意匠となっています。

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/image/yosimitu02.jpg

ちなみにその等持院での義満木造はこれですが、この足利義満とやけに縁がある漫画家の先生がいるのです。その人こそ、「サイクル野郎」や故・梶原一騎氏とコンビを組まれた「夕焼け番長」等何作もヒット作を出した荘司としお先生なのです。

http://blogs.yahoo.co.jp/kaze2010_case_case/GALLERY/show_image_v2.html?id=http%3A%2F%2Fimg5.blogs.yahoo.co.jp%2Fybi%2F1%2F29%2Fd1%2Fkaze2010_case_case%2Ffolder%2F432210%2Fimg_432210_6774423_4%3F1367663245&i=1

http://auction.thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_aucitem/image3/102/10720102/1108/img5450820191298.jpg

荘司先生は、歳がさほど違わないが、やはり数多くのヒット作を出す等一時代を築かれた貝塚ひろし先生のアシスタント出身で、「ど根性ガエル」等の吉沢やすみ先生とは兄弟弟子にあたります。私はこの荘司先生の絵が好きです。

上記の、ヤフー某ブログが貝塚先生、オークションページでのが荘司先生のそれぞれ作品画像ページです。荘司先生の絵はアシスタント時の貝塚先生のそれの絵の影響を受けていると思われます。何が魅力なのかと言うと、描き分けは上手いほうではないですが、表情が豊かで人間味あふれるからなのです。

貝塚先生も荘司先生も1980年代半ば以降は集英社出版を中心とした歴史系学習漫画の執筆も多数手がけられる事になりましたが、特に伝記日本の歴史(以降「伝記」と表記)での源義経です。義経、琵琶湖で何故か裸で水浴びしていた所を野盗に身ぐるみ剥がれるショタコン萌え(苦笑)なシーンも見られたのですが、頼朝が、静御前が義経を慕う歌を目の前で歌ったのにブチ切れて斬殺しようとしたり、彼を庇護してくれた藤原秀衡が死んだ後、「目の上のたん瘤がくたばった!!これでもういつでも奴を殺せる!!」と言わんばかりな、まるで鼠を捉えた凶暴な猫みたいに喜んだシーンはまさにテラ悪役wwで、強烈な印象を何げに残してくれました。まさに先生の真骨頂なシーンでした。他の凡百な漫画家では、ここまで愛嬌さと憎々しさを兼ね備えたような描き方はできないでしょう。

しかし、そんな先生がもっとも縁があった人物はおそらく足利義満でしょう。「伝記」でも義経や空海共々漫画を担当(1989年)されましたが、実はその5年前の1984年(昭和59)にも人物日本の歴史シリーズ(以降「人物」と表記)というのも別にあって、その時代を代表する、複数の人物を短編伝記形式で取り上げたのですが、この「人物」でも義満漫画を担当されたのです。しかし、あくまで短編という限られた尺もあってか、「伝記」との違いも少なくありませんでした。

赤松則祐、二条良基、観阿弥等「人物」では登場しない主要人物が何人もいた。「伝記」では世阿弥も副主人公に近い扱いでしたが、「人物」では数シーンの登場にとどまってます。

義詮が死ぬ間際のシーン、「人物」では死亡時点でまだ37歳だったにも関わらず老け込んでしまっていたが、自分の父の命の灯火が消えそうな時なのにミョーにすました顔して、悲しげな様子を見せない等態度が不自然。(苦笑)

・「人物」では花の御所建設時点でまだ20歳になるかならないかで義満は髭を生やしたが、「伝記」ではそれより3・4年後の1381年(永徳1)に、祖父尊氏と父義詮の生前の官位を超える内大臣となった時に髭を生やす姿が見られるようになった。

・「人物」では1379年(康暦1)の康暦の政変時、頼之の管領解任を通達した際まだ義満が折烏帽子を被っていたシーンが見られたが、「伝記」では10代後半以降は折烏帽子を被ったシーンは見られなかった。

・烏帽子と言えば、「人物」ではまた義満や彼に超愛されていた義嗣立烏帽子を被っていたシーンも見られた。

守護大名達も、「人物」では斯波義将等狩衣(武家の礼服と化したのは確か江戸時代以降の事だったと思うが・・・・・・)を着ていた姿も見られた。

・いずれも登場はしていても、斯波義将、大内義弘、後小松天皇等容姿が異なっていた人物も何人かいた。後小松天皇は「伝記」の方が実際の肖像画に近い風貌でした。

・そしてこれが最も重要な違いでしょう。「人物」では、義満ははっきりと(おそらく義嗣を後小松天皇の養子として、次期天皇にして自分は)上皇になる野望を持っていた事が描かれていたが、「伝記」では勿論天皇を凌ぐ牽制を誇っていた姿は描かれていてもそこまでは明言させていなかった。

以上が主な違いですが、伊勢貞継も「人物」では登場してなくて、「伝記」では1361年(康安1)における南朝方京都占領の際、義満の行方を拷問されても割らず、名誉の死を遂げたかと思えば、実はあの後も生きていたんですね。何と82歳まで生きて、亡くなったのは1391年(明徳2)の事。頼之や彼の弟・頼有(細川元総理の御先祖様です)、そして結局南朝に戻った楠木正儀ら共々南北朝合一直前まで生きていたんですね。でもその後政所の執事にまでなったのに存在自体忘れ去られてしまったのは何とも気の毒です。

そして皇位簒奪については、太政大臣任命の際「人物」でも「伝記」でも「俺は太政大臣程度なんかで満足しないぞ。」という様な事を言っていて、つい最近知ったけど、義満って二条良基が亡くなる少し前の1388年(嘉慶2)に左大臣を一度辞任していましたが、南北朝合一直後の1392年(明徳3)末に還任しているんですね。右大臣・久我具通か、内大臣・一条経嗣が任命されるかと思いきやです。(もし具通の左大臣就任が実現していたら、久我家と名乗った以降では初の左大臣となっていた。)この頃の義満は既に准三后と言って、皇族に準ずる扱いを受けていたし、今更太政官の官職にこだわる必要も無かったのではでしたが、村上源氏に代わって源氏長者にもなっていた事・そして南北朝合一という功績を果たした事からも前左大臣では体裁が悪いと朝廷が思ったのか功労を労うつもりで還任させたのでしょうか。女を巡って従兄弟同士(生母が姉妹)ながらも確執を抱えた事もあった、後円融上皇の意図も何だか感じないでもないです。もう既に良基もいなかったし。

実際上皇が崩御した5ヶ月後の1393年(明徳4)9月に僅か9ヶ月弱程度で左大臣を辞任して、後任には経嗣が就任したし、太政大臣も半年で辞任して出家しましたが、「人物」では必ず巻末に監修された、故・笠原一男先生の解説が掲載されていました。この笠原先生、貝塚先生が漫画を担当された平将門と藤原純友に対しては「朝廷権力の恐ろしさも知らない身の程知らずにも関わらず、甘い見通しで反乱を企てた挙句自滅した。」と言うような、かなり厳しい(苦笑)解説をされていました。まあ大正生まれの笠原先生が小~高等教育を受けられた頃はまだ戦前で、偏狭な皇国史観も蔓延っていた異常な時代でしたが、意外と(?)尊氏と義満に対してはそんな厳しい解説はしていませんでした。なお尊氏もまた、故・古城武司先生は「人物」「伝記」双方で漫画を担当されてましたが、観応の擾乱は「人物」では「伝記」以上に駆け足で描かれていました。まあこれは複雑怪奇な幕府の内部抗争でしたからしょうがなかったですけどね。

しかし、荘司先生、他にも日本の歴史人物事典1984年版でも、鎧姿で馬に乗った義満のイラストを描かれていたし、「伝記」からさらに9年後の「漫画」1998年版でもこの時代、義満死後~応仁の乱後の義政の死までを描かれていました。そしてまたさらに3年後の日本の歴史人物事典2001年版でもまたまた義満の漫画を担当!!今度は南北朝合一~義満死後の鹿苑院太上法皇の尊号辞退までが描かれていたのです。いやあ本当に義満の漫画執筆に縁がある!!他にも織田信長・武田晴信(信玄)も「人物」「漫画」1998年版で担当(まあ信長は何と言っても、中島利行先生の漫画が最高ですけどね)されていたし、豊臣秀吉も「漫画」1998年版と「世界の国旗事典」(日本・韓国・ギリシャ・ルーマニア・オーストラリア等を担当)で描かれていたけど、特に義満については「彼の漫画なら俺に任せろ!!」ですね。まさに。

http://www.ninomiya.or.jp/33-ema/list-07/

まあ「だから何だよ。」と思われるかもしれないけど、、折角の正月休みなので新年早々そんなどーでもいい話を長々としました。今年で73歳になられる先生、近年もこのようなイラストも描かれているようですが、先生の作品は機会あらば一度読んでみたいです。

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