ドイツ連邦軍の階級と陸軍軍服その7
http://www.bmvg.de/portal/a/bmvg
10ヶ月ぶりの更新だけど、このシリーズも今回で7度目の記事です。
今回は中将・少将の人数が大体わかったけど、2013年8月末時点でのドイツ連邦軍は大将が3人、中将が17人、少将が46人いるみたいです。軍種別に見ると、大将は3人とも陸軍、中将は陸軍8人、海軍5人、空軍4人で少将は陸軍か空軍かどちらの所属か分からなかった人が数人いたけど、陸軍が23、4人で空軍が13、4人。海軍が7人でした。准将は海軍だけ分かったけど、21人だから海軍将官は計33人で、総兵力が約15000人ですから1000人当たり2.15人と意外と多いです。以前数えてみた時は中将は少なくとも20人以上いましたが、今までは救護業務軍や戦力基盤軍(いずれも陸海空統合組織で固有の軍服はない)も含む作戦機関は各軍総監とは別の中将級高級幹部が司令官だったのが、指揮等の効率化の為か各総監部が直接指揮を執る様になったので、やはり減っています。ただ一方で、今まで陸・空とは違い、基本的に少将指定職だった海軍副総監が中将ポストとなっています。
http://www.oz-online.de/-news/artikel/21342/Kommandowechsel-in-Auricher-Luftwaffendivision
その内旧空軍指揮司令部末期の司令官だったPeter Schelzig中将(上記HP内画像は、左の准将と握手しているSchelzig中将の画像)は今年5月に連邦軍副総監に就任したようですが、2009年頃に連邦軍は連邦軍総監のみ64歳、他将官は62歳と定年が延長された(以前は基本60歳までだったが、創設時に参加した旧ドイツ国防軍将官は例外として65歳前後まで現役だった例も見られた。初代海軍総監だったフリードリヒ・ルーゲ中将に至っては、引退したのは67歳の時。)ようですが、連邦軍総監のフォルカー・ヴィーカー大将はこの規定に従うと1954年生まれですので、2018年まで最大務められます。しかし、Schelzig中将とは1歳しか歳が違いません。今まで連邦軍副総監となったのは18人いましたが、その内大将となったのは3人です。単純計算すると約17%ですが、さあSchelzig中将はどうか。ただヴィーカー大将はもしかすると現在NATO軍事委員会議長を努めているデンマーク軍のクヌート・バーテルス陸軍大将の後任として2015年に就任して、連邦軍総監は御役御免になるかもしれません。実際1960年代後半以降このポストの任期は殆ど3年のようです。
そうかと思えば、Kommando Luftwaffe とはまた別にKommando Einsatzverbände Luftwaffe (直訳して空軍機動司令部?)が新設されたようですが、実はKommando Luftwaffe ではなく、こちらが旧空軍指揮司令部の後継組織なようなのです。最後の旧空軍指揮司令部司令官はMartin Schelleis 少将で、もう解散が決まっていたためか中将に昇進しないまま2ヶ月間だけ努めてましたが、Kommando Einsatzverbände Luftwaffe の新設に伴い、中将に昇進しています。(上記HPはその画像ページ)しかも彼はまだ54歳と中将面々では若い方なのです。まだ定年まで8年もありますが、もしかしたら彼もSchelzig中将同様将来の連邦軍総監または空軍総監の有力候補かもしれませんが、現在の空軍総監であるKarl Müllner 中将より3歳若い事を考えると、彼の方が有利かもしれません。
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