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2013/07/15

大日本帝国陸軍の将官人数と自衛隊の統合司令官

http://route-125.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-6c66.html

この過去ログでもちょっと話題にあげましたが・・・・・・

http://www.nids.go.jp/publication/senshi/pdf/201203/06.pdf

上記HPは退役軍人支援施策についてのページですが、ちょっと注目すべきなのは「表3 大正8 年における将校(大将~少佐)の平均年齢」です。少佐から中佐になれるのが半分、中佐から大佐へはさらにその半分というのは、どこの国の軍隊でも大抵そうでしょう。しかし、我が国は旧帝国陸軍も現在の自衛隊も准将およびそれに対応する階級はないので、次はいきなり少将なのは周知の通りです。

イタリア軍(第1次世界大戦前)やギリシャ軍(1936年以前)以外にもかってのスウェーデン軍、ポルトガル軍も准将の階級は設けられておらず、また中南米各国軍もメキシコ軍やニカラグア軍(中将に相当する階級がなく、准将、少将の上がいきなり大将となっている。)等一部の国以外は准将に相当する階級は存在しないですが、この表を見ると大体5人に2人は大佐から少将になれている計算です。総兵員ですが、英語版wikipediaを見てみると、1900年代が38万人で、日中戦争の勃発した1937年も同じぐらいなので、元号では大正8年である1919年もやはり38万人程度でしょう。将官の全人数は表にはない7人の元帥大将を含めると216人ですが、1000人あたりだと0.57人です。ちょっと古いデータですが、2005年時点での米軍が沿岸警備隊を除いた4軍種で0.63人ですので、以外にも(?)将官の人数の割合は高くないのがわかります。ただ、繰り返し言うように准将の階級がない為、少将は旅団長等本来准将ポスト、中将は師団長等本来少将ポストもそれぞれ含む事を留意する必要があるでしょう。何せ、米軍は例えば陸軍はこの時期あたりまでは准将の旅団長の例もあったらしいですが、もう第2次世界大戦後は師団長=少将、旅団長=大佐が原則なのですから。(第2次世界大戦時までは軍司令官は英軍同様中将だったが、軍団長の少将、師団長の准将の例がほとんどだった。当然准将と大佐の壁は厚く、それはwikipediaでの「准将」のページに書かれている通りですが、准将から少将へは3人に2人は昇進できる比率で難易度は高くない。准将ポストは参謀本部の部長、課長や副師団長等が充てられているようです。)次に「表4 大正13 年における将校(大将~少佐)の平均年齢」を見ると、この時点で存命だった元帥大将は川村景明等の4人で含まれないでしょうから、彼らも入れると206人ですから、それほど比率も変わりないと思われます。

http://homepage1.nifty.com/kitabatake/rikukaigun38.html

http://homepage1.nifty.com/kitabatake/rikukaigun39.html

そして終戦時の陸軍将官人数もちょっと調べてみました。予備役も含むとの事ですが、間違えてなければ元帥大将4人、大将22人、中将415人、少将607人で計1048人です。総兵力は約600万人まで膨れ上がっていたので1000人あたり約0.17人です。ついでに終戦時の海軍将官ですが、元帥大将1人、大将15人、中将100人、少将255人で計371人でした。ちなみにアメリカ陸軍が元帥4人、大将12人、中将約40人、少将約380人、准将約1000人。ドイツ国防陸軍が1944年時点ですが、元帥16人、上級大将26人、兵科大将170人、中将473人、少将565人の計1250人でした。

ドイツ国防陸軍の場合はシンプルに少将~上級大将が英米軍等の准将~大将に相当すると考えて差し支えないですが、軍集団司令官=元帥または上級大将、軍司令官=兵科大将(大戦前期は上級大将の例も珍しくなかった)、軍団長=兵科大将(やはり希に上級大将か中将)、師団長=中将か少将(大戦末期には希に大佐)で、師団の下は旅団ではなくて連隊でした。だから上級大将と兵科大将の人数比が大きい反面、中将と少将の人数比はそれほどではなかったのです。

ところが、帝国陸軍の場合は総軍司令官=元帥大将または大将、方面軍司令官=大将または中将、軍司令官=中将、師団長=中将、独立旅団長(師団に直属しない)=少将とやけに中将のポストが多かったのです。この点では第一次世界大戦時の帝政ロシア陸軍も似ていました。戦線司令官=兵科大将または中将、軍司令官=やはり兵科大将または中将、軍団長=中将、師団長=中将(希に少将)、旅団長=少将(希に大佐)でした。これは現在のイギリス軍同様最上級の佐官扱いだった准将が18世紀末に廃止されてしまった事もありました。ソ連時代は軍管区【司令官=大将、先任者は上級大将の例も珍しくなく、希にソ連邦元帥】-軍【司令官=中将】-(軍団【軍団長=少将】)-師団【師団長=少将、希に大佐】、そしてロシア連邦となってからは近年の国防改革で統合軍管区【司令官=大将または中将】-軍【司令官=中将または少将?】-旅団【旅団長=大佐か】と時代が下るにつれてだんだんデフレ化している現在のロシア軍では考えられないでしょう。余計。

ロシア軍の話にやや脱線してしまいましたが、実際調べてみたらやっぱり多かった。陸海軍で比率も大きく違います。中将と少将の比は陸軍で0.68、海軍で0.39です。半分近くも昇進できる確率が違います。オーストリア=ハンガリー帝国軍も第一次世界大戦時には陸軍のみ元帥と兵科大将との間に新たに上級大将を設けましたが、帝国陸軍も中将を上級と普通の中将に分けて、上級中将は参謀次長、軍司令官、航空軍司令官、航空総監(兼任航空本部長)、その他重要ポストにあった先任の中将の指定職として充てるべきだったでしょう。そうすれば終戦時点で上級中将は少なくとも50~60人程度、普通の中将は360~370人程度となっていたかと思われます。それでもまだ前述の海軍の比率より高いですがね。

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6209

必要な自衛隊の「統合司令官」 防衛省が設置を検討

防衛省が自衛隊の最高指揮官となっている統合幕僚長の下に「統合司令官」を置き、陸海空や統合幕僚監部の指揮に専念する役割を担わせる方針であることを各紙が報じている。

 

そもそも世界の各国でも陸海空などの各軍種の統合運用は長年の大きな課題だ。陸軍と海軍、陸軍と海兵隊、海軍と空軍は、よく言えばライバル、悪く言えば相性の悪い組織同士の組み合わせだ。

 

民間企業などと比較にならない大規模で広範囲な「運用」をしなければならないのだから、統合指揮できる指揮官やその幕僚組織が必要になるのは、当然のことではある。

 

今回の「統合司令官」構想は、2006年、以前は陸海空の3自衛隊の最高会議の議長に過ぎなかった統合幕僚議長に代わって、指揮権を持つ統合幕僚長とそれを補佐する統合幕僚監部を設置したが、これだけでは限界があるとして打ち出されたものだ。その限界は、2011年の東日本大震災の対応や、中国・北朝鮮などへの対処で明らかになってきている。

 

中国の軍拡に対処するためには、島嶼防衛での即応体制強化や、航空・宇宙戦能力やサイバー戦能力の増強にも努めなければならない。

 

今月、日米両国の海軍などが米国ロサンゼルス近郊で大規模な離島奪還訓練を行った際には統合幕僚副長が日本側指揮官となり訓練部隊を指揮した。「統合指揮官」構想は、陸海空の方面隊などに任せてきた「地方分散型」の指揮権を積極的に一元化する取り組みで、日本も米軍に近い部隊指揮を行えるようにするものだ。

 

さらなる国防力強化のためには、対テロや対ゲリラ、対特殊部隊など様々な脅威に対応できる統合組織や統合部隊を常時設置することも必要だろう。陸海空の組織の壁を乗り越える不断のイノベーションが求められる。(弥)

そうかと思えば、ちょっと前の記事ですが、統合司令官の新設を構想しているのだとか。何でも統合幕僚副長を複数制にして、その一人をこの統合司令官と兼任させる等の案があるらしいですが、これって米軍の地域別統合軍のミニバージョンみたいな感じなのですかね。でもそうなると、現在の陸上自衛隊は特に師団は他の国の旅団に毛が生えた程度の規模しかないのに師団長は方面隊総監同様中将相当の将、旅団長や団長が少将相当の将補と制度的なつながりはないはずの帝国陸軍の影響を引きずっているけど、また将官ポストが増えるわけ?統合司令官は将、副司令官は数人いて、やはり将か将補になりそうですよね。と言うか、陸上総隊の話はどうなったんだ?階級インフレ是正の為の准将創設の話もどうなったんだ?有事に備えるのは大事だけど、まずはそっちの方もハッキリするのも大事なのではと。そうそう、あえてURは記さないけど、左翼的な琉球新報はこの統合司令官に対して否定的だったのはわかり易かったと言うか、まあ苦笑させられましたね。彼らの、心の故郷はどうやら日本ではないようなのはもうわかりきっているし、今更目くじら立てる事でもないのでしょうが。

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