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2013/04/21

大将だらけのブラジル軍?その2

http://route-125.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-2f33.html

以前にも過去ログでも述べましたが、我が国の自衛隊以上なようである階級インフレ現象にあるブラジル軍、大将(General de exercito)の人数は陸軍では国防省勤務も含めれば19人もいるようですが、海軍と空軍も調べてみました。海軍は総司令官、参謀本部長、作戦司令官、人事総局司令官等国防省勤務者(1人)も含めて10人、空軍も10人・・・・・のはずでしたが、局長・副局長がそれぞれ中将・少将ポストだったはずの空域管制局も大将・中将ポストに格上げされたので11人。計40人もいて、アメリカ軍の37人、中国人民解放軍の32人をも凌いでいます。現役総兵力は約33万人でアメリカ軍の143万人、中国人民解放軍の229万人の半分もいないのにです。(他にはタイ王国軍も陸海空各軍大将が5・6人いて、さらに国軍司令部高級幹部やや国防次官も含めると30人近くはいると思われる。)

他の中南米各国軍の国では比較的規模が大きいチリ軍やペルー軍も大将は4人程度。中将も20人いるかいないかです。アルゼンチン軍も陸軍は中将(General de division)は3人、海軍(Vice almirante)も合同参謀次長の1人だけで、参謀長ですら少将どまり(Contra almirante)止まりです。それだけに余計ブラジル軍の階級インフレっぷりが目立ちますが・・・・・・

http://pt.wikipedia.org/wiki/Comando_Militar_da_Amaz%C3%B4nia

特に陸軍が顕著で、作戦部隊は地上作戦司令部-地域軍-師団(及び軍管区)-旅団-連隊または大隊の指揮系統となっていますが、大隊長は中佐も多いけど、大佐の例も珍しくなく、旅団長が少将、師団長及び軍管区司令官が中将(後者は希に少将)、地域軍司令官(プラナルト軍以外)と地上作戦司令官が大将です。地域軍司令官までは相当の階級より1ランク高い(但し、少将旅団長は我が国の陸上自衛隊や中華民国陸軍、ポルトガル陸軍、朝鮮人民軍陸軍でも例が見られるし、大佐大隊長もオーストリア陸軍でも見られる。)というか、「大将が大将の指揮を受けている。」現象となっています。

元々はこの地域軍はナンバリングされた軍だったようで、旧首都・リオデジャネイロが司令部の東部軍が第1軍、サンパウロの南東軍が第2軍、ポルトアレグレの南部軍が第3軍、マナウスのアマゾン軍が第4軍の4個軍体制でした。それが第9師団兼第9軍管区が西部軍、第11軍管区がプラナルト軍として「昇格」され、西部軍もプラナルト軍同様司令官は中将だったはずが近年は大将職となっています。おまけに、最近知った事で上記HPはポルトガル語版ウィキペディアでのアマゾン軍のページですが、第8軍管区と第23ジャングル歩兵旅団がアマゾン軍から分離されて北部軍が今年2013年3月に新設されたのです。

他の地域軍は分かりませんでしたが、この旧アマゾン軍、総兵力は約26300人と実態はやや規模が小さめな軍団級レベルです。それをさらに分割したのですが、新アマゾン軍が17000人らしいから北部軍は9000人強程度・・・・・・・それぞれやや大きめの師団・やや小さめの師団級レベルです。それなのに、この北部軍の初代司令官Oswaldo de Jesus Ferreira将軍ですが、彼も大将に昇進したのです。2階級も高い。

ブラジル軍も昔から階級インフレだったのかと言うとそうでもなく、各軍の総司令官は1999年に三軍を統合した国防省が新設されるまでは陸軍省・海軍省・空軍省があって、各軍大臣が相当しました。旧日本軍も陸軍大臣・海軍大臣は大将ポストとは限らず、特に大正期までは中将の大臣の例も結構ありましたが、ブラジル軍も中将どころか少将の例もありました。しかし、第二次世界大戦後は連合国の一員としてイタリア戦線などにも参加した事もあったのでしょうが、地域軍司令官等ドンドン大将ポストが増えていって、軍事クーデターが勃発した1960年代半ば以降は完全に各大臣も大将ポストとなりました。

旧日本軍も、平時でも特に陸軍は大正期には大将が20人も出てきた時期もありましたが、これでは価値が薄れてしまいますよね。ただブラジル軍特有なのは、将官は現役で12年間までしか務められないのです。定年も一応66歳と決まっていますが、早く将官となってしまった場合、66歳になってなくても退役となってしまうし、逆にギリギリ60歳になるまでに(大佐の定年は60歳)何とか将官になれても66歳で退役となってしまいます。各軍総司令官は大統領の就任または再選とほぼ同時に選出または再選が決められるようですが、実役年数または定年の規定は適用されず、合同参謀総長共々事実上他の大将とは別待遇扱いのようですが、大将ポストは合同参謀総長・総司令官・参謀本部長・各軍総作戦部隊司令官の他には人事及び兵站関連局の局長だけで十分な気もします。大将の人数が一気に40人から15・6人程度に絞れます。陸軍なら師団との間に軍団がないのだから軍司令官は中将、軍管区司令官・師団長は少将に格下げ、旅団長は准将を新たに創設、その代わり能力に応じて早めに昇進させる等すればこの階級インフレはかなり是正されるはずです。でも、幹部の多くはおそらく賛成はしないでしょうが・・・・・・・

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