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2013/04/29

中国人民解放軍の上将(大将)たちその2

http://route-125.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-e2b6.html

過去ログでも触れましたが、昨2012年11月の第18回党大会及び今年3月の第12期全国人民代表大会で習近平・李克強体制が完全にスタートしました。当然中国人民解放軍の人事も大きく変わりましたが、注目すべきポイントはまず中国共産党中央軍事委員会副主席です。人民解放軍は13億の民を支配している中国共産党の軍隊です。実質。その軍隊の最高権力機関が中国共産党中央軍事委員会です。トウ小平が国家主席にも国務院総理にもならなくても実質最高権力者足りえたのはこのポストについていた(1981~89年)からですが、文民ですので軍の階級は与えられません。(但し、トウ小平は国共内戦等政治委員として高位の指揮を執った経験があり、1988年の階級制度復活時は米軍の元帥[中国語では五星上将]、ソ連軍の上級大将に相当する一級上将[1955~65年時は大将]を与える話もあった。)

副主席が制服組最高位となるのですが、范長龍も許其亮も胡錦涛派なのです。前者は済南軍区司令員、後者は空軍司令員からの人事異動です。(なお、陸軍の軍区は海軍・空軍・第二砲兵の他軍種と同列です。)

当初は江沢民・習近平(どちらかと言えば前者か)に近い常万全が副主席就任と見られていましたが、結局軍に対する指揮権はない国防部長に落ち着きました。同じく習近平派で文化大革命で非業の死を遂げた劉少奇の息子・劉源も共産党中央委員に再選されましたが、総後勤部政治委員におさまりました。(総後勤部は軍全体の兵站の最高責任部門)委員の中では年長で、本来の定年(65歳)を既に超えている海軍司令員・呉勝利も習近平派で、おそらく72歳になる2017年まで海軍司令員も務めるのでしょう。そうなると、ショウケイ光に次ぐ歴代2位(11年)の在職となります。あと総装備部部長の張又侠も習近平派ですが、残りの共産党軍事委員会委員は北京軍区司令員から総参謀長に転じた房峰輝、総政治部主任の張陽、副総参謀長から許の後任として空軍司令員に転じた馬暁天、第二砲兵司令員の魏鳳和はやはり胡錦涛派です。その他政治局常務委員・政治局委員にも要所で自分の子飼いを残す事に成功しましたが、完全引退と引き換えに配置させたこの人事、流石胡錦涛も「転んでもただでは起きない。」と言った所ですか。

彼らはいずれも中国人民解放軍の上将(他国軍の大将相当)ですが、この第四世代から第五世代への交代直前には32人いた現役上将、世代交代後は陸軍18人(第二砲兵司令員も含む)、海軍3人、空軍5人、武装警察2人の計28人に減りました。ちなみに現役中将は陸軍92人、海軍12人、空軍22人、武装警察10人の計136人とその比率は約1対5です。(文化大革命直前の階級制度開始時は亡くなった人も含んで上将57人・中将177人だから比率は約1対3でした。)

ただし、今後数年以内に上将に昇進する可能性のある人達も何人かいます。それは軍区司令員及び同政治委員と軍事科学院政治委員で軍区司令官と同政治委員は合わせて14人いますが、成都軍区司令員及び蘭州軍区・済南軍区政治委員以外の11人は中将なのです。

軍区司令員及び政治委員は上将職の中でも下位の方な所謂上将見習い職です。上将昇進には中将を最低4年以上は経験、その内軍区司令員または政治委員を2年は努めなければいけないらしいですが、彼ら11人はまだその条件を満たしていない人達ばかりなのです。

と言うか、これも前にも言ったけど、他主要国は大抵4ツ星将軍(イギリス軍式やフランス軍式のような例外もあるとは言え)いるのに人民解放軍の最高階級の将軍は3ツ星では何だか位負けしている感じ?ですよね。そう言えば、我が国の航空幕僚長、確か源田実という人も中将扱いされた事に怒って勝手に星1つ増やして、本当に幕僚長だけ大将あつかいになってしまった嘘のようなホントの話もありましたが、「戦時の階級」を大将(上級大将)・元帥と2つも作ってしまった(毛沢東用に制定された大元帥も入れれば3つ。但し、本人は固辞した。)のが却ってアダになってしまった?感じですかね。人民解放軍大将はソ連軍の上級大将に相当する階級として制定されたらしいけど、ソ連軍の上級大将はソ連崩壊時でも15・6人、国防省主任監察官等の名誉職も含めれば30人以上はいましたからね。必要以上に価値を重く位置づけてしまった感じですが、これなら1955年に初めて階級制度を導入する際、上校(大佐)より上の階級は「大校(上級大佐)、少将、中将、上将、大将、元帥」ではなく「少将(1ツ星)、中将(2ツ星)、準上将(3ツ星)、上将(4ツ星)、元帥」と1ランク減らした方がしっくりきたかもしれません。

少将は師団長及び師団政治委員等(中国語で師長。実際は大校指定職)、中将は軍団長及び軍団政治委員または軍区副司令員及び副政治委員等(軍団長は中国語で軍長。実際は少将指定職)、準上将は軍区司令員及び政治委員、先任の軍区副司令員、四総部(総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部)副部長、他軍種では海軍・空軍・武装警察各政治委員及び先任副司令員、上将は先任の軍管区司令員及び政治委員、四総部部長、国防部長、中央軍事委員会副主席、第二砲兵司令員、他軍種では海軍・空軍・武装警察各司令員等の指定職とします。この内準上将は実際当初は本当に上将と中将の間の階級として制定する事が構想されていましたが、さらのその上の元帥は実際の十大元帥&実際の十大大将の中での序列上位者(粟裕等)に授与させれば良かったでしょう。(なお、政治委員はソ連軍同様作戦に対する介入は出来ない事とする。)これを現在の人民解放軍に当てはめれば、4ツ星上将は陸軍8人、空軍2人、海軍及び武装警察各1人の計12人となります。まあ中国人民解放軍自体、周辺国とはほぼ何処とでも領土問題等軋轢がありますし、無くなった方が良いかもしれませんが・・・・・

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