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2012/07/16

モザンビーク軍&アンゴラ軍の階級と消え行く?上級大将

http://uniforminsignia.org/index.php?insignia%5B19%5D=10&era%5B2%5D=1&cont=0&state=33&Itemid=53&option=com_insigniasearch&search_id=main

http://uniforminsignia.org/index.php?insignia%5B19%5D=10&era%5B2%5D=1&cont=0&state=32&Itemid=53&option=com_insigniasearch&search_id=main

上はポルトガルの独立~1990年までの、下は1990年に社会主義体制を放棄して以降のモザンビーク軍の階級章のページですが、まず特徴的なのは、尉官はいきなり2つ星の少尉でスタートしている点ですね。社会主義国の軍隊は、翻訳の違いもありますが、少尉・中尉・上級中尉・大尉または少尉補・少尉・中尉・大尉と4段階ある例が見られますが、その総本山のソ連では、実は少尉(または少尉補)は3年制士官学校の修了者、または降格された将校等が充てられる階級であり、4年制および5年制士官学校の修了者はいきなり中尉(または少尉)からスタートするのです。しかし、この旧モザンビーク軍の尉官呼称を見る限りでは、やはり少尉補・少尉・中尉・大尉と訳するのが妥当な所なのですかね。ちなみに亡命事件で有名となったヴィクトル・ペレンコも、1つ星の尉官階級を少尉とすると、ソ連軍での最終階級は上級中尉でした。

もう1点は、陸海空各軍それぞれ最高階級が異なっていた点だったでしょう。将官はいずれも少将からスタートで、ソ連風と思いきや、海軍はAlmirante、空軍はGeneral Do Forca Aereaです。それぞれ大将、上級大将と訳されると思われますが、陸軍はやはり大将と訳されるであろうCoronel Generalの上は上級大将ではなく、いきなり元帥です。1955~62年のソ連海軍も、大将の上はいきなりソ連邦海軍元帥でしたが、階級章もソ連に倣って大きな一つ星です。元帥となった人には初代大統領のサモラ・マシェルがいます。下の画像はそのマシェルが旧東ドイツ最高権力者の一人だった、エーリッヒ・ホーネッカーの妻、マルゴットと会見した時の画像です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Bundesarchiv_Bild_183-1983-0303-423,_Berlin,_Margot_Honecker,_Samora_Moises_Machel.jpg

ただポルトガルから独立はしても、モザンビークは当時内戦真っ只中で、マシェルが事故死した後も続き、とうとう社会主義体制は放棄される事となります。それに伴い、陸軍元帥及び空軍上級大将も廃止されて、現在は制度上存在しないようです。

http://uniforminsignia.org/?option=com_insigniasearch&Itemid=53&result=5

http://uniforminsignia.org/?option=com_insigniasearch&Itemid=53&result=2685

http://uniforminsignia.org/?option=com_insigniasearch&Itemid=53&result=4

アンゴラもまた、独立したのはいいが、その後の主導権を握って内戦となったのはモザンビークと似ていて、内戦終了と共にアンゴラ人民共和国からアンゴラ共和国に改称されました。しかし、独立以来アンゴラ人民解放運動は依然政権与党の座にとどまり続けているせいか、社会主義国でなくなっても、階級はモンゴル軍共々ソ連式のままのようです。アンゴラ共和国軍はアフリカ各国軍で上級大将(と訳されるべき)の階級が残っている唯一の国軍でしょう。おそらく。2006年には海軍にも上級大将が制定されたらしいですが、この上級大将は、日本では統合幕僚長に相当する国軍参謀総長のみに充てられるらしいですが、下の画像はその国軍参謀総長であるGeraldo Sachipemgo Nunda将軍の画像です。

http://www.angonoticias.com/Artigos/item/32770/pacificacao-de-cabinda-e-um-dos-objectivos-de-2012-do-estado-maior-general-das-faa

この点では、中華民国国軍の一級上将(ただし、過去ログで触れたとおり、参謀総長にならなくても、日中戦争や国共内戦等で高位の指揮権を持っていた将軍に名誉的に授与された例もあった)と性質が似ているという事なのだろうけど、中華民国国軍では、2015年よりその一級上将も戦時のみに留保され、参謀総長は陸海空各司令等の指定職である二級上将に格下げされる予定のようです。ロシア軍も国内軍や国境軍、その他純軍事組織を除けば、現役の上級大将はニコライ・マカロフ参謀総長のみであり、大将ですら、司令官がほぼその指定職だった軍管区が削減され、プーチンの大統領返り咲きと前後して交代した海軍・空軍各総司令官もそれぞれ中将・少将の格下げ人事となっている事もあってあまりいない感じがしますが、朝鮮人民軍以外は上級大将はだんだんいなくなる運命にあるのでしょうかね。

朝鮮人民軍は正確には、日本語で言う上級大将に相当するのが大将で、大将は上将に相当しますが、軍団長の上級大将の例も珍しくないらしいです。まあ、ナポレオン時代のフランスにも、軍団長の元帥(現在のスウェーデン王室の祖であるジャン・ベルナドット等)はいましたが・・・・・・・・・

ソ連軍からして、役職名から普通に大将とか中佐とかの呼称に復活した1940年までは旅団長も他国軍の一つ星将軍相当でしたが、帝政時代の18世紀以前には准将は存在するも、この准将は現在のイギリス軍及びイギリス連邦加盟各国軍(例外もあり)共々最上級の佐官扱いだったので、この時期はロシアの歴史上、旅団長も将軍扱いだった短い時期でした。(さらに言えば、一等軍司令官が上級大将、二等軍司令官が大将相当と思われるから、フィクションの世界ではあの「銀河英雄伝説」シリーズのように上級大将と准将が並存していたとも言える。)

しかし、あのスターリンの悪名高い赤軍大粛清で将官が一気に激減、その後1940年の階級改正では例えばその「銀河英雄伝説」シリーズでも名が使われた(声優はブライト艦長)イワン・コーネフみたいに大将相当なはずの二等軍司令官から中将に「格下げ」された将軍も何人かいたのです。まあコーネフは翌1941年には大将に「返り咲き」を果たし、最終的にはソ連邦元帥にまでなったのですが、准将の階級も置かれず、旅団長は基本的に大佐の指定職となったので一気に階級デフレ化してしまったのです。抗日パルチザン活動を行うも、日本軍の討伐を受けてソ連に逃げてきた金日成も、第88特別旅団の大隊長を務めていましたが、階級は大尉でした。大隊長は普通は中佐か少佐の指定職ですが、ランクが1、2段階低い。上司の旅団長・周保中ですら中佐で、金日成は日本の敗戦後やっと少佐として帰国したのです。

社会主義の親玉がそうなのだから、他の社会主義国の軍も、中国人民解放軍や旧東ドイツ軍は師団長だってそれぞれ上級大佐(中国語では大校)・大佐の例が多いし、ベトナム人民軍も近年では軍団長ですら佐官である例も見られるようです。そういう意味では、祖父が30代半ばでやっと少佐様になったのに対し、現在の指導者・金正恩は早くも20代で上級大将となったようですが、朝鮮人民軍は社会主義国の軍隊では例外的な階級インフレだというのが良く分かると思います。タイトルとは話がそれましたが、早く正恩くんも権力地盤をさらに固める為に元帥様にならないとね!!そうすれば、自分も親父同様昇進人事を乱発して軍を手なづけ易くもなるしね!!

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