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2011/11/23

今更ながらの映画「悪人」感想

http://publications.asahi.com/akunin/

先日映画「悪人」が地上波放送されていましたが、先週やっと録画していたのを見終わりました。今更ですが、感想を述べてみたいと思います。

タイトル名でもある、「悪人」は誰なのか?勿論それは主人公の清水祐一で、勿論犯した罪の免罪符にはならないけど、心の弱さのあまり、被害者に罵られた事への怒りから罪を犯した、「心の弱さ」が暴走したという点では確かに彼はそうでした。一度出頭しようとして結局逃亡生活を続けてしまった下りでも、そうした「心の弱さ」が良く描かれていましたが、母親に見捨てられる等不幸な生い立ちを背負っていて、可哀想な人だったとも思います。

寧ろ彼よりも、彼の周辺の連中がどーしようもない奴等に見えましたね。被害者の女性は、言動が軽薄で、主人公に対し、散々罵る等典型的なビッチだったし、祖母を騙して健康食品を買わせた堤下らも、いかにもなヤーさんだった。マスコミはマスコミで、興味本位でよってたかって祖母に寄生(彼らを一喝させたバスの運転のおっさんは「GJ!!」と言うか、溜飲が下がる思いだった)して、半ば悪者扱い。しかし、最も救い様が無かったのがチャラ男の増尾でしたね。

被害者のトークにいじやけた気持ちも分かるけど、山の中じゃなくて、我慢して街まで乗せてけば良かっただろうに。結果的にこいつが殺人の原因を作ってしまったけど、警察に参考人として聴取を求められた際にはヘタレっぷりを曝け出すわ、被害者や、被害者を侮辱した事に怒った親父を話のタネにして笑いものにするわ、それを見ていて、-凶器を手にしていたが、殺す価値も無いと感じたと思われた-親父に「一生そうして生きていけば良い。」というような事を言われても、全く反省の色を見せず・・・・・・・・・鶴田も、近くの器物を破壊するのではなく、せめてこいつの顔を一発ぶん殴ってやるべきでしたね。健康食品を買わせた連中も、結局祖母には金を返さず、危害を加えないで追い出したのだろうけど、この祖母も主人公以上に可哀想な人だったでしょう。

俳優陣の演技は良かったです。結果的に深津絵里氏が賞を受賞したけど、最も好演が光ったのは被害者の親父役だった柄本明氏だったでしょう。いくらビッチでも可愛い娘には変わりなく、彼女を殺されて、その原因を作った増尾にも侮辱された怒りや無念等が痛いほど伝わってきました。鶴田への弁、「今の世の中は大切なものを持たない人間が多すぎる」(うろ覚え)等も非常に重みがありましたね。半ば主人公コンビを食っていたと思います。

終盤警察が押しかけてきた時に、清水がヒロインを襲ったそぶりを見せたのも、巻きこんで変な疑いがかからない様にしようという彼の「優しさ」だったのだろうけど、事件現場近くでのタクシー運転手との会話も、何ともいえない余韻がありました。前述の増尾ら、「一線は越えなかったろくでなし」どもの存在も、「世の中には、殺してやりたいほどどーしようもない奴もいるが、そんな奴らの為に殺人を犯して一線を越えてもしょうがないだろう。」と言う「反面教師」としての存在価値があったのも分かります。考えさせられたものはあったけど、やはり増尾や堤下への扱いには引っ掛かるものがどうしてもありますね。ある意味評価に難しい映画の一作だったとつくづく思います。

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