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2011/06/29

ジョジョ7部感想-最終24巻「ディオの世界 さらば友よパート2」

何ヶ月も更新が止まっていた事もあったけど、いよいよこのブログでのジョジョ7部感想も最終巻まで来ました。

息つく間もない心理戦となってきましたが、時を止めるスタンド・THEWORLDを破る術、一巡前の承太郎は、スタープラチナが似たタイプだった故にその「時が止まった世界」に入り込む事ができたのは周知の通り。一巡後の世界では・・・・・・・やはりヒントは「重力」にありました。

しかし、ディオもその執念はジョニィに勝るとも劣らない。一巡前では頭をブチ込められた直後にガソリンをぶっ掛けられたけど、今度は逆にジョニィにぶっ掛けてやった!!そして、一巡前のディオは承太郎に先回りされて下水には逃げられなかったけど、ジョニィはなんとか潜り込めた。いやー随所にセルフパロディを織り交ぜられている。本当に粋がありますね。荒木先生は。

そしてガソリンをぶっ掛けたのが却って仇となって、タスクの的となってしまったディオ、しかし彼は何処までも悪どい。自分とっては「我が運命の路上に転がる『犬の糞』」に過ぎない美女達を盾にしてピンチを乗り越える。やはり直接ジョニィはディオを仕留めるしかない。ディオは時をまた止めてついにジョニィを馬から引き摺り下ろす事に成功します。そして「無限の回転」を利用して、自身も足を負傷してまでじジョニィに跳ね返させたけど、まさに「無駄無駄無駄無駄!!!」またキタァァァァァァー!!!ですね。

これもまた、生前の大統領との打ち合わせ通りだったけど、ついに一巡前の世界同様ディオはジョナサンに勝利した。後は大統領の遺言通りあらかじめ作られた地下シェルターに遺体を中に収めて施錠するだけ。

しかし、世界の行方はまだ決していなかった!!そう。黙ってディオに殺されるのを待つのを良しとしなかったルーシーが、最後の最後でD4Cの能力、ドッペルゲンガーを利用してディオを倒したのです。大統領は、自分の最大の目的を「予期せぬ事が起こらぬようにする事」と言っていたけど、それを果たす事はとうとう出来ませんでした。ジョニィのスタンド能力をディオに利用させたつもりが、逆に誇らしげに語った自分のスタンド能力を利用される羽目になってしまったのだから。皮肉な「決着」だったけど、まさに「策士策に溺れる」でしたね。

そんなルーシーの「真実に向かおうとする意志」に心を打たれたのか、半ば無気力だったスティールも最後の最後で男を上げました。彼が馬を出してくれたおかげでジョニィは、今度は逆回転を自らにかけ、優勝こそ逃しましたが消滅を免れました。優勝はディオ失格という事でポコロコとなったけど、アレ?ラッキーなのって、2ヶ月しか持たない設定じゃなかったっけ?

【まとめ】

半ば7部は関心がな無くなりつつなっていたけど、やはり私もジョジョファンの端くれ。これで最後まで読み終わり、期間的にシリーズ最長となった7部感想も終えますが、最後にちょっとした総括をしてみたいと思います。

まずジャイロ&ジョニィ、最初は前者は「ニョホ」等そのキャラクターと波長が合わず、後者は捻くれた中二病患者な印象があったけど、ジョニィは自身「僕の成長の物語」と言っていた様に大統領やディオに立ち向かっていった時の顔つきは、ジョッキーとして名をはせ、天狗になっていた時と較べるまでも無く、意志の強さ等大いに伝わる、良い顔つきになっていた。その成長振りやジャイロとの絆はよく掘り下げられていたと思うし、最後惜しくも力尽きた彼の遺体を愛馬共々家族の下へ連れて帰ったのも粋な計らいでした。おそらく今後もジャイロは彼の心の中で生き続ける事でしょう。随所に挿入されていたセルフパロディも、荒木氏の遊び心が垣間見られたと言うか、ニヤリとせずにはいられなかったでしょう。

しかし、不満点も残念ながら目立ちました。最初7部とは名言されなかった筈がいつの間にジョジョ7部となった事や、プッチ神父に世界を一巡させてもなおスタンドを登場させたのはまだいい。大統領のそれは難解だったのは否めなかったけど、6部に較べれば、複雑さはやや改善されていたと思います。しかし、新解釈としての「立ち向かうもの」にそれほど大きな意義があったのか?これは正直疑問だし、盛り上げるべき所は盛り上げていたけど、ややマンネリ感があったのも否めなかった。最後ディオを倒したルーシーも、彼女自身は6部のエンポリオもそうだったけど、スタンド使いではなかったし。

そして何よりもあくまで歴代の部の中でですが、この7部の評価を(6部よりはやや上だが)低くしているのは「敵キャラの魅力の無さ」ですね。いや、全くいなかった訳ではない。中盤登場した刺客の1人だったリンゴォは自分なりの信念を最後まで貫いた求道者で、7部の大きなポイントの一つだったけど、ジョニィとの直接対決は歴代の部でも屈指の名バトルだった。

しかし、彼以外の面々の出来が総じて悪かった。ポーク・パイ・ハット小僧フェルディナントは普通につまらない小物だったし、「遺体」を自分のものにしようとしていた筈が、急に大統領への忠誠を誓うようになったブラックモアも描き方が唐突でこれまたつまらない刺客だった。アクセルROとのバトルも、ホットパンツの過去にも焦点が当てられる事となったエピソードで、荒木氏の人生観が伺えようというものだったけど、やはり言動が小者丸出しだった。

そして彼ら刺客を利用して、「遺体」を手に入れようとしていた大統領、何故か登場を重ねるごとにイケメンになっていったのも「?」だったけど、確かにそのキャラクターには考えさせられたものはあった。

この大統領、強い愛国心を持っているという設定で、「遺体」を集めようとしたのも、「アメリカ及びアメリカ国民」の為だと言っていたけど、今までの、私達が生きる現実の世界でもいましたよね。スターリンとか毛沢東、ピノチェト、存命者では第四次中東戦争の英雄だった筈の元大統領や「アラブの狂犬」な大佐とか。そう。「愛国心はならず者の最後の砦」とは良く言ったもので、「愛国心」を隠れ蓑にしていたけど、アメリカやアメリカ国民の為の幸福がいつの間に自分の為の幸福追求となっていた事に全く気づいていなかった。だからこそ一方で、陰に不幸なものがいようが、絶対的優位に建つ自分が幸福ならば知ったこっちゃないと嘯いたり、レースでの犠牲者たちを「子羊」と例えたりしていたのだけど、6部のプッチ神父と同類と言うか、本質的に自己中なのに女々しく正当化するのはくどかった点は良く似ていましたね。勿論褒め言葉ではない。

元々初登場した時から、一国の指導者の割には威厳や風格とかは感じられず、イケメン化や特異な台詞回しで誤魔化していた感があったと言うか、「何なのこいつは?」が第一印象だった。果たして、アクセルRO等刺客を捨て駒にしても遺体を集めたり、ルーシーを自分の方に誘導するように仕向けたり、ジョニィに追いつめられてまたまた殊勝らしく命乞いなんかした一方で、元々何処の馬の骨か分からない階層の出身で、信用していなかった筈のディオに甘言を弄して作戦を立てる等他の歴代ボス達と違って、汚い罵倒とかはしなかったけど、小賢しくて小者臭く、魅力は全く無かった。他の部と比べ、冗長な直接対決の展開がされていたのも否めなかったけど、結局ディオのお膳立てをしたに過ぎなかったもんね。そして彼を倒したのも結果論だけど、自分のスタンド能力に溺れて、その掌で踊らされていたはずの孫悟空だった筈のルーシーに特性をばらしてしまったから。良く言えば現実味はある。悪く言えば、中途半端な二流以下のマキャベリストと評して差し支えなく、悪役としては高い点数はあげられません。そのディオも、ジョニィに勝利したかと思えば・・・・・・・・・最後はちょっとあっけなかったですよね。どうせ彼を真ボスにするつもりだったら、もっと早く大統領を退場させて、その分彼のとの直接対決に割くべきだったのではないですか?ギラギラとした野心家ぶり等一巡前の彼(6部でのプッチの回想は除く!!)程ではないにせよ、それなりに魅力的には描かれてはいたし。結局メインの筈だったレースが、余興に過ぎなくなってしまったのもそうだったけど、構成のバランスも取れていなかったですね。

あとはホットパンツがやはり名はダリオと言ったディオの親父の事を知っていた設定も唐突だったけど、これも何か意味あったのですかね。結局「過去の罪」を克服できないまま退場を余儀なくされてしまったけど、ちょっと救われない最期でしたね。イケメンも、彼を殺した張本人がブラックモアでは釣り合わなさすぎと言うか・・・・・・・・早期リタイアを余儀なくされたからこそ、彼らみたいに死なないで済む事になったとも言えたし、子孫達も、一巡前の世界とは違って、カイロまたはスターリングラードで死ぬ事無く平和に暮らしたのだろうけど、アヴドゥルやシュトロハイムを噛ませ犬にしたのも正直「?」ですね。特に前者については、3部生き残り組も承太郎はプッチ神父、ポルナレフはディアボロに殺害されて、ジョセフも吉良の事件後はやや元気になったとは言え、すっかり老け込む等どうも満足の行く晩年を過ごせていなかったけど、新連載開始された8部では、花京院(元々由来はモデルである仙台の地名だしね)やイギーも悲しい姿を晒す事になるのでしょうかね?正直見ていて悲しかったですよ。

確かに盛り上げるべき所はしっかり盛り上げていたし、荒木氏が最終巻でのコメントで語っていた「『聖なる遺体』とは何ぞや?」も、スティールに回答させていて、それも「まあそのとおりだろうね。」としんみりと思った。ハッピーエンドとして無難に最後は纏まっていたけど、残念ながら6部ほどではないながらも、7部も私にとっては「?」な所がありますね。8部の展開しだいでは、7部の展開が進んだ時の6部みたいにまた見方はいくらかは変わるのかもしれないし、勿論そうした点があっても、露伴先生主役の某読切は面白かったし、荒木飛呂彦氏が天才であるという認識に全く変わりは無いです。(だからこそハードルが高くなっているのかもしれないけど)無いのだけど・・・・・・

間髪いれずに噂どおり杜王町舞台の8部が連載開始されたけど、何だかんだ言っても、今後も「荒木飛呂彦」ワールドがどうなっていくのか見続けていくつもりですね。とりあえず7部連載お疲れ様です。荒木先生。

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