ミャンマー軍の階級について
正確には、「歴史」カテゴリというよりも、「軍事」カテゴリかもしれないけど、基本的に上級大将とは、過去ログ「ソビエト連邦の上級大将たち」でも言った様に、軍の規模が大きい国にしか存在しない階級です。上級大将の無い国は大将が基本最高階級であり、、少将の下に准将が置かれています。また文化大革命以前の中国や北朝鮮、ベトナムでは、大将が上級大将に相当し、大将に相当する階級は上将という、東アジア特有の階級名が存在します。
つまり、基本上級大将と准将が並存する事はなく、せいぜい長編小説「銀河英雄伝説」シリーズでの、ゴールデンバウム朝・ローエングラム朝銀河帝国軍というフィクションの世界のみかと思いきや、現実の世界にも並存する国がありました。今なお、軍事独裁政権が続いているミャンマーです。
上級大将は、1992年以来国家元首(国家平和発展評議会議長)の座にあるタン・シュエがこの階級にありますが、大将との間にも上級大将補という階級があり、マウン・エイが授与されています。
http://santamariaaesanborn.blogspot.com/2010/06/than-shwe.html
階級の肩章はどうなっているのかというか、まず上の画像はタン・シュエで、ミャンマー軍(陸軍?)軍服は平常勤務服が緑色、礼服がカーキ色のようですが、大きい丸型と、星型がそれぞれ縦2つ、横2つに並んでいるようです。
http://www.shanland.org/oldversion/weekly-diary-no-336-24-2013-30-january-2009.htm
これに対し、上級大将補マウン・エイは、大きい丸型と星型が縦2つ、横1つです。
http://burmanewscasts.blogspot.com/2009/07/will-shwe-mann-become-mr-president.html
そして、普通の大将であり、陸海空軍統合参謀長も務めるトゥラ・シュエ・マンは大きい丸型と星型が横3つに並んでいる配置、つまり星型の数自体は上級大将補と同じなようです。
http://www.rfa.org/english/news/burma/lawyers-10302008130234.html
上級大将補・大将が3つ星なら、准将はどうなのかというと、これはチョー・サン准将(2007年当時)の画像ですが、丸型1つのみ。左官ははっきり確認したわけではないですが、星型のみの配置なようです。
まあこれもどうでもいい事かもしれませんが、つまり、少将または准将が通常1つ星の国では、ミャンマー軍の上級大将は5つ星の元帥で、上級大将補・大将は4つ星で、上級大将補は「元帥候補の資格を有する上級大将」または北朝鮮で言う次帥、大将は上級大将に相当するといえるのかもしれません。しかし、アウン・サン・スーチー氏も、自宅軟禁解除は近いとは言われていますが、果たして軍事政権が収束するのはいつの日か・・・・・・
【追記】(2011年2月26日編集)
英語版ウィキペディアによると、欧米では上級大将補は大将同様、(アメリカやイギリス等での)大将扱い、上級大将が元帥扱いらしいです。
| 固定リンク
「軍事」カテゴリの記事
- ウクライナ上級大将もいつの間に廃止となっていた(2020.11.29)
- アメリカ陸軍もいつの間に軍服が先祖返り(2020.11.23)
- 別にシン・ゴジラから防衛について大真面目に語っても良いだろ(2020.09.19)
- これからのアルゼンチン軍は本当に少将が最高階級となるのか(2020.05.30)
- ドイツ連邦軍の階級と陸軍軍服その17(2020.05.05)
最近のコメント