« カプコンが「ロックマン」の為に真にやらなければいけなかった事 | トップページ | ジョジョ7部感想-第8巻「男と求道者と」 »

2009/05/16

広島東洋カープのジレンマ

http://www.tbs.co.jp/baseball/game/20090516CG01d.html

今シーズンは唯一巨人(読売ジャイアンツ)に勝ち越している広島東洋カープですが、昨日は赤松のタイムリーの後、1本が出ず敗戦。今日も打てず、引き分けとなりました。広島は昭和50年から61年にかけてリーグ優勝5回・日本一3回の黄金時代を築いた事は周知のとおりです。

ところが、その後昭和62年から平成初頭にかけて、山本浩二・衣笠祥雄両主砲の引退の後、後釜で期待された小早川毅彦・長内孝などがそれに相応する成績を残せなかった。結局彼らいずれも晩年は他球団に移籍しています。そして、助っ人外国人も、ランス・ロードン・アレンとやはりいずれも長期にわたる活躍はできませんでした。(ほかにもあの某メジャー豪腕投手と同姓同名の助っ人もいた。)チームは投高打低状態に陥ってしまったのです。そんな中、山本浩二監督は平成元年に監督就任、野村謙二郎・江藤智・金本知憲・緒方孝市・前田智徳ら若手の育成に、水谷実雄・中暁生各コーチなどとともに力を注ぎました。平成3年のリーグ優勝は、その投高打低の状況はまだ変わっていなかったとはいえ、そうした育成の賜物による所も大きかったと思います。(この時点ではまだ金本は入団していないが。)ところが、その後さらに前述の彼らが育ってきて、中でも江藤が本塁打王になったと思ったら、今度は投手陣の崩壊現象が起こってしまったのです。

その年、平成5年はスタートは良かったものの、5月には神宮でのヤクルト戦で16-17の大乱打戦をものにできず、これ以降次第に失速、特に後半戦は負けが込み、結局19年ぶりの最下位転落となり、投手王国・広島は崩壊の憂き目を見たのです。山本監督は辞任となり、三村敏之が監督となりましたが、強力打線を誇りながらも結局優勝する事はできませんでした。特に平成8年、巨人に11.5ゲーム差を跳ね返された「メークドラマ」はあまりにも有名です。投手陣も、山内泰幸・澤崎俊和・小林幹英等若手が登場しましたが、彼らはいずれも2年目以降は尻すぼみとなり、本来なら長く弱体化した広島投手陣を支えていかなければいけなかったのを、早い引退を余儀なくされてしまいました。

かくして三村監督最後の年の平成10年には5年ぶりにBクラスに転落しました。同年の、黄金時代の数少ない生き残りであった、大野豊の引退は投手王国・広島が完全に過去のものになったことを象徴する出来事であり、以降現在まで第2次暗黒期が続いているのですが、その三村氏、最近でも「ベースボールマガジン」でも広島黄金期について、しきりに根本陸夫監督および、関根潤三・広岡達朗各コーチが築いた土台である事を強調していました。確かにそれは私も否定はしません。しかし、それならば、あなたが監督としてあの平成8年に優勝できたとすれば、それはあなたや山本一義等のコーチ陣のおかげではなく、前述の山本浩二・水谷・中などが築いた土台のおかげですよね?私はつくづく捻くれているのか、こうした三村氏の弁は、強力打線を有しながら、投手陣も若手のホープに恵まれながら結局1度も優勝できなかった事に対する自己弁護なのではないのか?と思いましたが、それは穿ち過ぎな見方なのでしょうかね?(同時期に巨人のV10を阻止した中日のトップバッター、高木守道は同雑誌では水原茂の「み」の字も言っていなかったのは対照的で興味深いものであった。)

そして、達川短期政権を経て、山本浩二が再登板となり、1年目の平成13年は実質Aクラス&勝ち越し(引き分けを認めるのに、勝率ではなく勝数で順位を決めるという変なルールのおかげでBクラスにされてしまったが。)となりました。しかし、止められない投手陣の崩壊に加えて、江藤・金本など主力選手の流出も相次ぎ、後期にはその三村もヘッドコーチとして古巣に戻りましたが、結局平成17年にまた最下位に転落して退団となりました。

次のブラウン政権でも、しばらくそれは変わりませんでしたが、広島市民球場最後のシーズンとなった去年は鬼門であった交流戦に始めて勝ち越し、最後までAクラス争い(プレーオフには反対で、即刻廃止すべきだと思っているので、あえてクライマックスシリーズ争いとは書かない。)をしました。そして新球場・新ユニフォームで臨む事となった今シーズン、打では栗原が金本・新井に代わる主砲として台頭しました。長く弱体化していた投手陣も、先発では高橋健は後輩の黒田に続いてメジャー挑戦をする事となりましたが、大竹・前田健・斉藤など若手が登場し、リリーフ陣もシュルツ・梅津・永川など方程式を組めるようになり、かくして今日現在で防御率はリーグトップと投手王国復活のきざしがかなり見えてきました。しかし・・・・・・・それでも、今シーズンも低迷しています。

確かに繰り返し言うように投手陣はかなり改善されてきています。問題はむしろ打線で、栗原が主砲として台頭したとも言いましたが、彼の周りが頼りないのです。助っ人外国人はシーボル・マクレーンと少なくとも現時点では「助っ人失格」の成績しか残せていないし、阪神から移籍した赤松も2番打者としては出塁率がもう少し物足りない。首位打者経験者でもある赤ゴジラ・嶋も伸び悩んでいます。今日午後7時時点でチーム盗塁数はリーグトップですが、得点・本塁打数はワーストです。要するに今度はまた昭和末期~平成初頭のような投高打低というジレンマに陥ってしまっているという事なのです。開幕の巨人戦では2勝1分と好スタートを切りましたが、結局15勝19敗2分の5位。巨人に唯一勝ち越していても他に11勝17敗では意味がありません。特に本拠地が広い球場のヤクルトと阪神には5勝12敗と大きく負け越しています。

もうすぐ交流戦開始となりますが、去年は勝ち越せたとはいえ、広島にとってはまだまだ鬼門意識が強いでしょう。今年は果たしてどうなるか?いずれにせよ、1試合で3点も取れていない打線のてこ入れをしない限りは今年も広島は12年連続(平成13年がAクラスだとしても、7年連続。)Bクラスになり、暗黒期は依然続く可能性が高いと思います。下手をすれば、今年はまた、FA制導入後優勝を経験していないチームが広島だけになってしまう可能性だってあるでしょう。果たしてこの泥沼から抜け出せるのはいつなのか・・・・・・・・

|

« カプコンが「ロックマン」の為に真にやらなければいけなかった事 | トップページ | ジョジョ7部感想-第8巻「男と求道者と」 »

NPB」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1159637/29641392

この記事へのトラックバック一覧です: 広島東洋カープのジレンマ:

« カプコンが「ロックマン」の為に真にやらなければいけなかった事 | トップページ | ジョジョ7部感想-第8巻「男と求道者と」 »