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2009/05/25

イチローは本当に不要なのか?

去年までの5シーズンで4シーズンも地区最下位に沈んだシアトルマリナーズ、そのマリナーズでリードオフマンとしてイチローが入団してもう今年で9シーズン目となりました。今シーズンは、WBC疲れというべき胃潰瘍で開幕には間に合いませんでしたが、チームは4月好調でした。しかし・・・・・・・5月に入ってからはイチローは好調なのですが、肝心のチームが失速してきており、現在負け越しています。私にとっては、イチローのあの輝かしかったメジャーデビュー&マリナーズシーズン116勝がもう遠い昔の事に感じられてならないのですが、ここでまた最近出てきているのがイチロー不要論です。

2chやyahoo等での掲示板でも、イチローの存在については不毛な言い争いもしばしば見られますが、まず否定論者の弁でよく聞かれるのが「内野安打が多く、それを除けば、打率はいたって平凡だからたいしたことは無い。」という事ですが、これはハッキリ言って的外れだと思います。確かにオリックス時代みたいにチーム事情等で3番も打っていたときならば、あまり内野安打が多いのは困りものでしょうが、マリナーズで彼が求められているのは、「出塁する事」です。内野安打が多いというのは、将来加齢してきて(すでに今年で36歳になるが。)脚力が衰えてきた時に出塁数が減少してしまうという不安はありますが、少なくとも1番を打つ場合、それは現時点では問題ではないと思います。

イチローの問題点は「内野安打が多い」事ではなく、「四死球をあまり選ばない」事だと思います。それがオリックス時代からの問題点だったのかといえばそうではなく、オリックス時代9年間の打率は.353でしたが、出塁率は.421、出塁率王も5回なっています。四死球もちゃんと選んでいた事がわかります。ところが、去年までのメジャー8年間で、打率は.330ですが、出塁率は.376で、ベスト10に入ったのも2002・2004・2007年の3回に過ぎません。デビューした2001年も.351の高打率にもかかわらず、出塁率は.380にとどまり、当時のチームメイトではエドガー・マルティネスやジョン・オルルドにすら及びませんでした。日本とメジャーはまた、レベルも環境も異なり、単純には比較できませんが、一般的な評価に比べ、物足りなさを感じてしまう事も確かです。過大評価か過小評価か?残念ながらイチローは「走塁と守備では相応だが、メジャー時代以降の打撃はやや過大評価である。」と見るのが妥当だと思います。

ではイチローは本当にマリナーズでは不要なのか?確かに過大評価されている所があるのも否定できないですが、それを差し引いても、彼が何十年に一人のプレイヤーである事に全く変わりはないし、結論から言えば「それは有り得ない。」です。マリナーズの低迷が始まった2004年の開幕直前、大リーグ「偏向」情報雑誌「スラッガー」での下馬評は高いものがあったけど、あの時点でレギュラーの平均年齢は30歳を余裕で越していて、ゴジラ松井2年目のヤンキースよりも高かったし、私は「すべてがうまくいけば、確かにワールドシリーズ出場もありえるかもしれないが、逆にそうでなかった時がかなり怖い。」と思っていました。(当時のスラッガーには「月刊松井秀喜」なる、鼻につくゴジラ松井への意識過剰な記事もあったけど、ここ4・5年私はスラッガーなんか買っていません。)案の定、ジョージ・シスラーのシーズン最多安打記録を破った事ぐらいが明るい話題(達成時にはシスラー氏の娘さんも観戦に来ていた。)となったぐらいで、地区最下位独走となってしまいました。そして去年までの5シーズンの戦績は冒頭で軽く触れたとおりですが、それも、たまたま佐々木やイチローがマリナーズに入団した時は、彼らのほかにも前述のマルティネス・オルルド・ブーン弟・モイヤー・ガルシアなど主力選手がみんな脂の乗っていたときでしたが、その後の世代交代が円滑に行かず、またそこまでの穴埋めとしての活躍が期待された城島やセクソン・ベルトレーなども期待ほどの成績を残せていないからです。つまり、「スラッガー」での2004年開幕直前でのマリナーズへの過大評価ぶりは私から見れば、おめでたい偏向・過大評価であまり参考とはならなかった(まあ、「スラッガー」の記事なんて実に玉石混交すぎるのだけど。)のですが、近年のマリナーズの低迷は「起こるべくして起こった事」であり、それはイチローのプレーが原因ではなく、資金はあるが、長期的視野に欠けているフロントの失政が根本的な原因だと思うのです。

だから、今シーズン開幕直後に、張本勲の3,085安打を更新した時、「次はピート・ローズの4,192安打に挑戦だ!!」との、マスゴミを中心に騒ぐ声が見られて、確かに不可能な数字ではないとは思います。でも、それよりも私が興味あるのは「果たしてマリナーズはイチローが元気な内にワールドシリーズに出場できるのか?」という事です。殿堂入り選手でもワールドシリーズに出場できなかった選手は珍しくありません。(アーニー・バンクス、フィル・ニークロなど)しかし、繰り返し言うように一部過大評価されている所もあるとはいえ、イチローが不世出のプレイヤーである事には何ら変わりありません。そんな彼に唯一欠けているのは「世界最多安打記録」よりも、「ワールドシリーズチャンピオンのリング」だと思いますが、今年のマリナーズにその可能性は果たしてあるのか・・・・・・・・・投手陣を立て直さない限りは厳しいと思います。まあ、イチローが「俺は優勝なんか出来なくても、メジャーでプレーできればそれでいいんだ。」と言えばそれまでなのでしょうが・・・・・・

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