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2009/05/09

カプコンが「ロックマン」の為に真にやらなければいけなかった事

http://www.nicovideo.jp/watch/sm5711903

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6114895

上は、「ロックマンロックマン」でのタイムマンとオイルマンのステージ及びBGMをFC風にした内容の動画です。確かによく再現されているなあと思うし、こういう改造とか自分でもやってみたいなあとも思います。(そんな時間とかはないのですが。)でも、こうしたシリーズもののFC化、何も「ファイナルファンタジー」とか他のゲーム作品でも見られて、それ自体は異常ではない。しかし、この「ロックマン」シリーズの場合、FCシリーズ(特に2)への歪なる神聖視が見られるから、一方で「何なの?」とも強く思えてしまうのです。冷静に考えてみれば、末期には作り手の発想に技術が追いつかない行き詰まりも見られ、それが私から見れば現在までなお続いているシリーズ迷走の大きな要因の一つになったのにもです。

過去ログでも何度が触れましたが、ここで「ロックマン」本家シリーズの大きな分岐点の一つであった「ロックマンコンプリートワークス」、所謂PS復刻版について、改めて言及したいと思います。

同復刻版が登場したのは平成11年8月から12月にかけての事(もう10年近くも前なのです!!)でしたが、肝心の内容はいくつかのPSオリジナル要素が加わりましたが、好きな時に数々のシリーズ名曲を聞けるサウンドテストとイラスト紹介は良かったと思います。しかし、そのBGM、4以降ではナビモード(3以前は裏技で)で聞けるのですが、アーケード版の使いまわしで、出来も玉石混交、3以前はアレンジ非対応BGMも珍しくなく、しかも、他シリーズのBGMが使用されているものもいくらか存在(「自称」最高傑作である「2」も勿論含む。)しました。また、スタッフロール後の「ロックマンを作った人達」紹介にもそのようなBGMが使用されてましたが、「6」での「風よ伝えて」は既に進行していた「ロールヒロイン化」の悪影響の一つです。初心者用のナビモードは、シリーズごとに味方キャラがプレイヤーにヒントをくれたのだけど、「3」でのブルース、「4」でのカリンカは設定と矛盾していました。それぞれライト博士とブルースにやらせるべきだったと思います。その他も難易度設定はプレイ時間を水増しさせられているようだったし、ポケステとの連動も、プレイヤーの自己満足な感は否めなかったと思います。要するに、某ゲームレビューサイトでも指摘されていた方がいましたが、「価値が落ちてしまっていた過去の宝物を、無理やり豪華そうに見せ付けて本来の相応価値以上に売りつけた代物」に過ぎなかったのです。その背景には人気が年々低下していた本家だけでなく、全体的に「ロックマン」シリーズそのものを取り巻いていた状況が決して芳しくなかった事にあります。「X」シリーズも、上位ハードに本格移行しながら、思った売上をあげられなかった。「DASH」シリーズもやはり赤字と相成ってしまいました。この状況は、「エグゼ」シリーズの登場により変わっていったのですが、結局売上は各シリーズ4桁台とカプコンにとっても、ファンにとっても得たものは殆どなかったのです。平成14年、15周年の節目にGBAに移植された「ロックマン&フォルテ」も25万枚売り上げるなど商業的には成功しましたが、やる気の感じられない、殆どベタ移植でそれ以上に「得たもの」はやはりありませんでした。

ここで本来ならカプコンが何をやらなければいけなかったかを具体的に列挙してみます。

①グラフィックの一新

②BGMの好アレンジ

③ステージの変更

④「2」の過剰なオマージュの排除

⑤チャージショットの調整

⑥一部特殊武器の改良

⑦「6」でのミスターXの位置づけ

①は平成6年10月に発売された「ロックマンメガワールド」でのグラフィックをベースにすればいい線いったのではと思います。②は、PS復刻版での中途半端なアレンジも、「思い出は億千万」や「エアーマンが倒せない」などにも見える「2」への「歪なる神聖視」の原因となりましたが、全曲使い回しではない、オリジナルアレンジを施すべきでした。④は、「3」でのドクロボットは、「2」だけでなく、「1」の亡霊と4体ずつで登場させます。また、「3」での特殊武器取得画面、所謂「ロッテリア」でのロックマンのポーズも元は「2」FC版カセットでのそれでしたが、これもオリジナルに改めます。「4」では、ファラオショットやリングブーメランなど「2」に似ている傾向の強い一部特殊武器をそれぞれアーケード版でのファラオウェーブ、W4仕様などに変更させます。「2」のそれのアレンジ版であったスタッフロールBGMもオリジナルのものとします。その他勝利ジングルもオリジナルのBGMを使用します。⑤は「5」でのスーパーロックバスターについてですが、チャージ時間と貫通威力を調整します。⑥は④と被る所もありますが、特に「5」は威力の面で、「6」は燃費の面での改良の余地があると思います。⑦は、ミスターXはワイリーの自作自演などではなく、未来からやってきたワイリーなどの設定にすればいい線いくのではと思いますが、どうでしょう?

確かに「2」はゲーム史に残る名作です。それは否定しません。しかし、これももう何度もいいますが、何を勘違いしたのか、カプコンもファンも必要以上にこの「2」を大きく位置づけて神聖視してしまった。その後のシリーズも、特に「3」と「4」はそれならではの色も出せたけど、「2」への意識が強く感じられたシリーズだった。Wシリーズはまた別の方向性を示したけど、ナンバリングシリーズは結局しだいに行き詰ってしまった。

ジャンルは違いますが、ここで私が印象深く感じるのが「ザ・キングオブファイターズ」シリーズです。屈指の名作といわれる98と2002は、新ゲームモードや追加キャラクター、グラフィックの変更等かなり意欲的なリメイクがなされていました。倒産したSNKの版権を受け継いだSNKプレイモアにそうせざるを得なかった事情があるのも確かだとは思いますが、これは素直に評価したいと思います。「ロックマン」本家はまた状況は違うのですが、「エグゼ」(と「流星」)シリーズのヒットの後に、自称」最高傑作「2」偏重ではない、「それとは別の可能性を示した」上での積極的なリメイクをカプコンは行うべきだったのです。そして、平成18年にやっとそういうリメイク作に見えた「ロックマンロックマン」が登場しました。しかし、本作については詳しくは「ロックマン」カテゴリでの過去ログを参照していただきたいのですが、前述した①~⑦の中で、④と⑦は関係ないにせよ、カプコンに合格点をつけられたのは①のみでした。確かにボリュームだけ見れば、他シリーズを凌駕するものでしたが、中身は全く穴だらけだったのです。他にはコントラクションモードと、小林由美子・高木礼子・神田朱未・青野武各氏など一部声優陣の好演以外には高い評価をできる所はありませんでした。それでも宣伝に力を入れていればヒットし、稲船敬二氏の構想どおりなシリーズ化もなされていたでしょう。しかし、これもダメでした。「ロールヒロイン化」の病巣は本作でも手術で除去などされてはおらず、ダウンロードコスチュームなど「愚の骨頂」な代物が存在したからです。そんな事をしても、妙な妄想等に血道をあげるロールファン(彼らの中でFC時代からのファンはせいぜい1割程度だろうが。)を喜ばせるだけなのです。どうしてその分もっと有益な事に力を入れなかったのか?小一時間問い詰めてやりたい心境です。

かなり長くなってしまいましたが、この中途半端なPS復刻版こそ繰り返し強調するように、「ロックマン」本家シリーズの「真の方向性」のチャンスをカプコン自ら台無しにしてしまったと言えるのです。そして、その後さらに行き詰まり、その結果登場した「ロックマン9 野望の復活!!」は、ネットの普及等も相まってますます歪なものとなっている「自称」最高傑作「2」への神聖視が悪い形で現れた、マトモな評価はできない代物以外の何物でもありません。①~⑦で挙げたような意欲的なリメイクがなされていれば、また別の形で登場した可能性もありえたのですが、もう遅いのかもしれません。

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